◆ナガセケンコー杯◇第33回北海道支部春季リーグ戦 第1節 札幌手稲ボーイズ9−5札幌ボーイズ(12日・岩見沢栗沢)

 開幕し、2試合を行った。札幌手稲ボーイズは2点を追う3回に5番・岩崎賢成(3年)の左前適時打などで一挙4点を奪い逆転、9―5で札幌ボーイズを下し今季初白星を上げた。9連覇を目指す旭川大雪ボーイズは、4点ビハインドの7回に集中攻撃で追いつき札幌豊平ボーイズと7―7のドローに持ち込んだ。

 ようやくエンジンがかかってきた。昨季は何度も優勝戦線を沸かせた札幌手稲ボーイズだが、今季はアシックス旗争奪、スポーツ報知杯ともに初戦負け。リーグ初戦で苦しみながらも沈滞ムードを脱し、越中築監督は「やっと1勝ですね」と安ど感をにじませた。

 2回を終えて1―3。主導権は札幌ボーイズにあったが、中軸が流れを変えた。2死二塁から4番・小松優太(3年)が左前打でチャンスを広げ、5番・岩崎が左前適時打。これが呼び水となり、相手のバッテリーミス、失策が重なって一挙4点をもぎ取った。

 3番・村上太一(3年)は6回の追加点につなげる中越え三塁打。小松は3犠飛で3打点。岩崎は4回からマウンドにも立ち、毎回の6奪三振、2失点と踏ん張った。それぞれが持ち味を発揮しての逆転勝ちだ。

 初めて自主練を取り入れた冬場に徹底してバットを振り込み、打撃には手応えがあった。課題は守備。今季2大会も守りが崩れて大量失点を招いた。リーグ戦に向け、土、日曜は全て守備練習。多い日で1000球ものノックを打った越中監督の手のひらは豆だらけだ。

 ただ、1、2、6回の失点は全て失策絡み。まだ改善途上にある。岩崎は「打線は安定している。守備さえ修正できれば」と改めて胸に刻んだ。主将の渋谷南翔(3年)は「これから成果を出していきたい」と力を込めた。

(石井 睦)

 札幌豊平 あと一歩で金星を逃した。6回まで旭川大雪を4点リードも、7回にまさかの4失点。引き分けに持ち込まれた前田創大主将(3年)は「こっちがペースを握っていたが、大雪は諦めないメンタルの強さがあった」と話した。スポーツ報知杯では2回戦で5回コールド勝ちしていただけに、リーグ初戦で「まだまだ足りないところがある」と分かったことが収穫だ。

 旭川大雪・高本浬(かいり)遊撃手(3年=7回無死二塁から同点の二塁打)「甘い球が来たら初球から振っていこうと。自分たちは王者でなく挑戦者。次もその気持ちでいく」