シェイクスピアの世界的な名作となるミュージカル「ロミオ&ジュリエット」が2024年5月16日(木)より上演される。

同作は仇同士の家に生まれながら運命的な恋に落ち、争いの終結を願いながら、ひたむきに互いを愛したロミオとジュリエットの運命を描いたラブロマンス。2001年にフランスで生まれ、世界20カ国以上で600万人以上を動員したメガヒット作品で、日本では小池修一郎演出により2010年に宝塚歌劇団によって初演された。今回上演されるミュージカルは2021年以来3年ぶりとなっており、豪華なキャストが名を連ねている。

今回はロミオ役の小関裕太とジュリエット役の奥田いろは(乃木坂46)にインタビューを行い、「ロミオ&ジュリエット」への印象や演じる上で心がけていること、お互いの印象を語ってもらった。

――「ロミオ&ジュリエット」は世界中でも上演されているシェイクスピアの名作です。出演が決まった時はどんな気持ちでしたか?

奥田「私は舞台自体出演が初めてだったので、嬉しさと不安の両方がありました。でも出演が決まった瞬間は間違いなく嬉しかったです」

小関「僕もすごく嬉しかったです。『ロミオ&ジュリエット』は2011年からずっと見てきたミュージカルで、いつか出演したいと思っていました。このタイミングで自分が出演できるのは運命を感じましたね」

――奥田さんはシェイクスピアの作品はこれまで見てきましたか?

奥田「『ロミオ&ジュリエット』という作品はもちろん有名なシーンは知っているんですけど、そこまで深くは知らなくて...。出演が決まってから、過去の映像を見たのが初めてですね」

――それこそ、『ロミオ&ジュリエット』は乃木坂46の先輩である生田絵梨花さんが出演した舞台でもありますね。生田さんの過去の映像もご覧になりました?

奥田「もちろんしました。ジュリエットとして稽古をしていけばいくほど、生田さんのすごさに気付かされましたね。簡単にやっているように見えるけど、それは生田さんの実力があってこそなんだなと。今は本番に向けて勉強させてもらっています」

――今は本番に向けて稽古の最中かと思うのですが、実際に演じてみてお互いの役柄はいかがでしたか?

小関「いろはさんはすごく声が透き通っていてまっすぐな子というのが初めての印象です。ジュリエットってすごくピュアで、初めての恋愛と言っても過言ではないような人なんですけど、いろはさんの歌声がすごくピッタリで、ジュリエットが目の前にいるような感覚になりました」

奥田「ロミオは純粋で天然な一面もあるんですけど、実は自分の意志の強さを持っているところが小関さんと似ているなと感じました。声はもちろん、人柄がとにかく優しくて、いるだけで安心するような存在です」

――本番に向けてどういうふうに演じていきたいと考えていますか?

奥田「今の私だから演じられるジュリエットを演じていきたいという思いがあります。1幕ではロミオに対して純粋でまっすぐな気持ちをぶつけるんですけど、2幕に行くにつれて愛を知ったり、悲しみを知ったり、いろんな困難を知っていく中で、強さとか勇敢さみたいな情熱的な部分が出てくるんです。その1幕と2幕で差をつけられるように演じていきたいです」

小関「ロミオって今まで僕が演じた役と比べて圧倒的に演じる人によって変わってくる役なんですよ。もちろんこの役柄の大筋は台本に描かれているんですけど、大筋が大通りすぎて、キャラクターの方向性が幾通りもあるんです。例えば極端な話言うと、すごくチャラいロミオをできるかもしれないし、天然に寄り切ったロミオできるかもしれないし、誠実を強めたロミオもできるかもしれない。でも、僕は台本を読んだ時に割と勘のいいロミオが見えたんです。それは曲の並びだったり、彼がふと発する言葉から感じられるものだったりするところからひしひしと感じられて。なので、僕なりに解釈したロミオを演じていたいなと思っています」

――小関さんはこれまでの舞台やミュージカルに出演されていますが、奥田さんは今回が初のミュージカルとなります。ミュージカルと言えば歌声も見どころのひとつかと思うのですが、小関さんからみて奥田さんの歌声はいかがでしたか?

小関「すばらしかったです!ファンの方々は乃木坂46の曲とかで聞いたことがあると思うんですけど、ミュージカルの曲ってポップスとは歌い方がかなり違うんです。ミュージカルならではのセリフ調があったりとかして。そんなむず痒くなりがちな曲を素晴らしく歌っていたので、めちゃくちゃ楽しみにしていてもらっていいと思います」

奥田「嬉しいです!ファンの方にいつも聞いてもらってる歌とはまた違う感じなので、新たな一面をお届けするのが楽しみです」

――奥田さんは乃木坂46の「超・乃木坂スター誕生!」ではたびたびソロ歌唱を披露していますよね。ミュージカルならではの難しさは感じますか?

奥田「小関さんもおっしゃっていましたが、そもそもJ-POPの歌い方とミュージカルの歌い方が全然違うんですよ。なので、私はまず歌い方の癖をなくすことから始めました。J-POPを歌ってる時はどうしてもしゃくることが多かったんですけど、ミュージカルはそのしゃくりを全部取り除いて、なるべくまっすぐ歌うように心がけていて。最初は無意識にしゃくりをしてしまうので、ミュージカル仕様の歌い方にチューニングする作業が大変でした」

小関「確かにロミオとは違って、ジュリエットが歌う歌は割とゆったりなリズム感が多いので、大変かもしれないね」

――小関さんはミュージカルとその他の舞台や映画との違いはどんなところに感じていますか?

小関「僕は今までは共通点の方が多いと思っていたんですけど、この1年半年くらいで『あ、結構違うものかも』と思うようになりました。お芝居というワードは一緒なのに、向かう方向が違うというか。映像だったらレンズを挟んだ向こう側の方に届けるためにお芝居をするわけですが、ミュージカルではステージ上だけで完結してしまって、会場のお客さんに届かないことの方が多いんです。会場にいるお客さんに届けるためにはより声を大きくしたりすることが必要になってくるのですが、かと言って大げさに演じてしまうと感情が死んでしまう。それが舞台やミュージカルの難しさかなと感じますね」

奥田「私も今それに悩んでいます...」

小関「僕もその殻を破るのが大変だった方なんです。でもそこに楽しさもあったり、舞台で培ったものが映像に生きることもかなり多いので。時間はかかるかもしれないけど、ミュージカルならではのやりがいに気づいたら、楽しめると思うよ」

――お二人は今回で初共演ですが、お互いの印象を教えてください

小関「初対面の時はマルバツって言ってる印象がすごく強くて(笑)。しばらくその印象が強かったんですけど、めちゃくちゃしっかりしているなって。年齢変わっても男性より女性の方が精神年齢上の部分あるじゃないですか。それを結構感じましたね。ジュリエットらしいまっすぐさもあるんだけど、同時に冷静な部分もある。すごく素敵な方だなと思いましたね」

奥田「嬉しいです。私はなんだかほわほわしてるイメージだったけど、実際お会いしてもほわほわしていました(笑)。いい意味で年の差を感じないなって」

小関「良かったです(笑)。ロミオの方が年上の設定ではあるんですけど、同じ思いでいたいじゃないですか。だからそういう意味だと、いろはさんの言葉がすごく励みになりました。最後の大阪公演まで頑張ります!」

取材・文=川崎龍也

舞台情報

ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」
<東京公演>
講演日時:2024年5月16日(木)〜6月10日(月)
会場:新国立劇場 中劇場
<愛知公演>
講演日時:2024年6月22日(土)・6月23日(日)
会場:刈谷市総合文化センター
<大阪公演>
講演日時:2024年7月3日(水)〜7月15日(月・祝)
会場:梅田芸術劇場メインホール

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