新型コロナウイルス感染症が5類に分類されて以降、岩手県内の医療は段階的に通常の体制に移行され、4月からコロナ禍前と同様に戻った。およそ1年間で大きな混乱はなかった一方、感染者は増減を繰り返し、ウイルスがなくなったわけではない。医療機関は独自の警戒を緩めておらず、県は感染状況や場面に応じた対策を促している。

 盛岡市上田のおいかわ内科クリニックは、発熱の有無で患者の待合室を分けるなど、感染対策を続けている。及川寛太院長は「受診は多いが、症状は軽くなってきている印象だ」と1年を振り返りつつ「コロナは普通の風邪とは異なる」と指摘する。

 医師不足の本県にあって、流行が一気に拡大すれば医療体制に影響が出る恐れがある。「まずかかりつけ医が外来診療を行い、重症化を抑えることが岩手の医療を守ることにもなる」と語った。