NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第34話が16日、放送され、ヒロインの大学時代の同期生、轟太一(戸塚純貴)と山田よね(土居志央梨)が、花岡悟(岩田剛典)を呼び出し、婚約した理由を問いただすシーンに多くの視聴者が涙した。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。女優、伊藤沙莉が主人公の猪爪寅子を演じている。ドラマは第7週「女の心は猫の目?」(第31〜35話)が放送されており、この日の冒頭で、轟とよねが、婚約をした花岡を呼び出した。

婚約者の小高奈津子(古畑奈和)がホテルで待つから手短にしてほしいという花岡に、轟は「あんな仕打ちはあるか?」と寅子に奈津子を紹介したことを非難。寅子とは結婚の約束をしていたわけではないという花岡を「もっと誠意のある伝え方があっただろう? 俺の知るお前はもっと優しい男のはずだ」と叱った。花岡は、奈津子は女学校卒業後、家庭に入り、赴任先にも同行して父の面倒も見てくれると説明。その言葉によねは「だからあいつを捨てたのか」と憤慨した。花岡は「猪爪に、やっとつかんだ弁護士の道を諦めて嫁に来てほしいと言えと?」と反論。轟は花岡の胸ぐらをつかんで「それで猪爪に何も言わずに婚約を? きちんと話もせずにか!?」と声を荒らげた。これに「俺についてくると言われたら? 大勢の人の思いを背負った彼女の夢を奪うなんて俺にはできない」と言い返す花岡。よねは「責任を負う勇気がないだけだろ」と怒りをにじませ「一発殴ってやろうかと思って待っていたが、やめた。どうせお前など、あいつと到底釣り合わない」と吐き捨て、その場を立ち去った。

よねの言葉に頭を抱える花岡に轟は「それで本当に幸せになれるのか?」。この婚約は、寅子と奈津子を侮辱する行為なのではないかと尋ねた。花岡は「ありがとな、轟」と感謝。そのうえで「でももう決めたんだ。こんな俺が言っても何も信じてもらえないかもしれないが…。何も間違わず、正しい道を進むと誓うよ。ごめんな」と約束した。轟は「何だよそれ」と目を赤くしながらうつむいた。

轟、よね、花岡の思いがぶつかり合ったこのシーンには視聴者から大きな反響が寄せられ、X(旧ツイッター)では「俺たちの轟」「花岡さん」というワードがトレンド入り。「お前のやっていることは猪爪も奈津子さんも侮辱する行為なんじゃないのか? にグッときた! なかなか言えませんよ」「轟が一番花岡のこと考えてるよなぁ。若い頃から知ってるからもあるだろうし、花岡はそういう友達は大事にした方がいい」「言わずに突き放した花岡にも優しさを感じるし、詰め寄る轟もよねさんも優しい」「轟とよねさんの視聴者代弁、よいね」「やっぱりともこを思ってのことだったよね。花岡さんもつらいよね」「花岡さんの気持ちもわかる。つらい決断をしたんだよな…。泣かすなよ朝から」などのコメントが殺到した。

また、誰とも群れたがらないよねが寅子のために行動したことに驚く視聴者が多く、「よねさんがこんなお節介を焼くなんて」「大事な女友達を守るための言葉がいい」「アツい! ステキ」といったコメントも多数寄せられた。