世界三大レースのひとつ、第108回インディ500のプラクティスが5月14日(日本時間15日)にスタートし、最初のセッションはチップ・ガナッシ・レーシングのスコット・ディクソンがトップとなった。

 第108回インディ500は、18日と19日に行なわれる予選に向けて14日からプラクティスが行なわれた後、予選後月曜日の20日と金曜日の24日に2時間の走行を経て、26日に決勝レースが行なわれる予定となっている。

 最初のプラクティスは、14日の午前9〜11時に予定されていたが、開始から23分が過ぎたころから雨が降り始めてしまった。

 これによりレースコントロールは、11時から13時のブレイクタイムを無くし、セッションを午後6時まで延長すると発表したが、結局セッションは再開できず。12時から18時までの予定だった翌15日の走行を、10時から18時まで延長することを発表した。

 セッションがわずかな時間で終わったことから、走行距離は1周40秒ほどのコースを13周したドライバーが最多。結果から読み取れるものはほとんどないだろう。

 そんな中だが、トップとなったのは2008年のインディ500ウイナーであるディクソン。229.107mph(約368.712km/h)を記録した。

 0.1218秒差の2番手は今季、インディのみのエントリーとなっているマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ)となった。

 2度のインディ500王者であり、今季はレイホール・ラニガン・レーシングからインディ500にスポット参戦する佐藤琢磨は、0.6194秒差の3番手となった。

 トウ(スリップストリーム)なしのスピードは計3回しか記録されず、チーム・ペンスキーのスコット・マクログリンの219.656mph(353.502km/h)がベストだった。

 昨年のインディ500覇者であるジョセフ・ニューガーデンは、インスタレーション・ラップでセンサーのトラブルが見つかり、1周しか走行できなかった。

 また、NASCARからの参戦で注目を集めているカイル・ラーソン(アロー・マクラーレン)はピットインのシステムに慣れるために行なった、2周に終わっている。

 特筆すべきは、ロマン・グロージャン(フンコス・ホリンジャー)が最初にコースインし、タイムを記録したことだ。

 1984年以来、最初にコースインしたドライバーがインディ500で優勝したことはなく、2位になったのは1度(マルコ・アンドレッティの2006年)、予選でポールポジションを獲得したのは2度(エリオ・カストロネベスの2010年、ライアン・ブリスコーの2012年)だけ、という不吉なジンクスがある。グロージャンは、このジンクスが雨で流れたことを願っている……かもしれない。