日産の欧州法人は2024年5月2日、フランスに向けて商用バン「タウンスター」の3列7人乗り仕様「タウンスター エヴァリア」を発表しました。同モデルは意外と日本でも展開できそうなモデルだといますが、どのようなクルマなのでしょうか。

日産の新型ミニバン「タウンスター エヴァリア」は日本でもアリ?

 日産の欧州法人は2024年5月2日、フランスに向けてLCV(ライト・コマーシャル・ビークル=商用車)「タウンスター」の3列7人乗り仕様「タウンスター エヴァリア」を発表しました。

 タウンスターは、日産が欧州で展開している小型LCVで、ルノー「カングー」の兄弟車にあたります。

 ボディはショートとロングの2種類あり、これまで乗用モデルではショートボディの2列5人乗り仕様が展開されてきました。今回発表されたタウンスター エヴァリアはロングボディの3列7人乗り仕様となります。

 ボディサイズは全長4911mm×全幅1860mm×全高1869mm、ホイールベース3100mm。ショートボディの2列5人乗り仕様と比べて、全長が424mm増、ホイールベースが384mm増となっています。

 シート配置は2-3-2。2列目は6:4分割可倒式で、3列目も含めて前後スライドのほか、取り外すことが可能です。ラゲッジは通常時が500リッター、助手席と後席すべてを畳むと最大3750リッター、奥行(長さ)3.5mとなります。

 パワートレインは1.3リッターガソリン(最高出力130HP/最大トルク240Nm)または90kWモーター(最高出力122HP/最大トルク245Nm)の2種類。モーター搭載のEV(電気自動車)は45Kwhのバッテリーを備え、航続距離265kmとなっています。

 ボディサイズはトヨタの高級ミニバン「アルファード」と同じくらいですが、高級感は打ち出しておらず、道具としての潔さを感じさせます。

 日本国内でも一定のニーズはありそうです。主な競合車は、プジョー「リフターロング」、フィアット「ドブロ マキシ」、シトロエン「ベルランゴ ロング」。これら3モデルは基本コンポーネンツを共用しており、日本にも導入されています。

 タウンスター エヴァリアの日本導入予定は今のところありません。ただ同じ3列7人乗りの兄弟車であるルノー「グランカングー」は昨年日本で実車が公開され、早ければ2024年中に発売される模様です。

 タウンスター エヴァリアとグランカングーのバックドアは一般的な跳ね上げ式ですが、カングー(2列5人乗り)の特徴にもなっている観音開き式が日本仕様に採用されれば、競合車と差別化でき、ミニバンの新たな需要喚起につながるのではないでしょうか。