【ハノイ共同】ベトナムで最高指導者グエン・フー・チョン共産党書記長(80)が主導する反汚職運動の勢いが加速している。今年に入り党最高指導部メンバーの政治局員3人が引責辞任に追い込まれた。チョン氏の下で汚職摘発を担う政治局員トー・ラム公安相(66)が権力闘争に利用しているとの見方もあり今後も追及は続くもようだ。

 ラム氏は4月25日、公安省幹部が集う会議で「汚職や社会の関心を集める事件捜査を優先して進めるように」と号令をかけた。翌日、序列4位の国会議長で次期書記長候補のブオン・ディン・フエ氏が辞意表明。汚職事件に絡みフエ氏の側近が逮捕され、フエ氏の関与の有無を捜査する見方が広がっていた。