熱中症対策に医師がすすめる「暑熱順化」とは

 5月のゴールデンウィークでは最高気温が30度を超える真夏日が100地点を上回りました。夏を思わせる暑さが続いたと思えば、連休明けは気温がぐっと下がったりと、自身の体調管理が追いつかない人も多いのではないでしょうか。体温調節をスムーズにするための熱中症対策として「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という言葉を耳にする人も多いのではないでしょうか?草ヶ谷医院(静岡市)院長の草ヶ谷英樹先生が、この「暑熱順化」について解説します。

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「暑熱順化」といっても…具体的に何をすればいい?

 5月でも最高気温が25℃以上の夏日などはときおり見られます。このタイミングは暑さにまだ体が慣れていないため、思わぬ体調不良につながる場合があり注意が必要です。

「暑熱順化」とは、体を徐々に暑さに慣れさせることを言います。真夏の暑さへの準備といえるでしょうか。

 運動や仕事などで体を動かすと体内で熱がつくられ、体温が上がります。体温があがると、体は汗をかくことや、皮膚の血管拡張させることで体表面から空気中に熱を逃がし体温を下げて調節します。この調節がうまくできないと体に熱がたまり熱中症につながります。体温調整がスムーズにできるように今の時期から徐々に体を慣れさせることが、「暑熱順化」です。

 具体的には日常生活で、発汗を促しましょう

(1)ウォーキングなら1日30分を週5回
(2)ジョギングなら1日15分を週5回
(3)入浴(湯船につかる)は2日に1回、
(4)筋トレやストレッチなど、適度に汗をかく運動を、週5日〜毎日
などが提唱されています

 なかなか難しいとは感じる程度の習慣ですが、出来ることから少しずつ意識していくのが大切です。無理をしても長続きしないので、出来る範囲でゆっくりとやっていきましょう。

(LASISA編集部)