女優・吉高由里子が主演を務め、平安時代に長編小説『源氏物語』を生み出した女流作家・紫式部(ドラマでの名前はまひろ)の生涯を描く大河ドラマ『光る君へ』(NHK)。「望みの先に」と題する第20回(5月19日放送)では、伊周と隆家が花山院の牛車に矢を放った一件で左遷されることになり、兄弟の不祥事で絶望のふちに立たされる定子がある決断をする。

■前回のあらすじ

急死した道兼(玉置玲央)に継ぎ、次の関白は道隆(井浦新)の嫡男・伊周(三浦翔平)と思われたが、一条天皇(塩野瑛久)は道長(柄本佑)に内覧の宣旨を下し、それからひと月後には右大臣に任命。道長は内大臣の伊周を飛び越えて公卿の頂点に就くが、これを境に伊周との軋れきはより高まっていく。

そんなある日、まひろ(吉高由里子)はききょう(ファーストサマーウイカ)のはからいで内裏の登華殿を訪れ、一条天皇の中宮・定子(高畑充希)と対面。定子との初対面に緊張するまひろだが、そこに思いがけず一条天皇も現れる。帝から政について問われたまひろは緊張しながらも、身分の低い者でも試験に受かれば政に加わることができる宋の国の制度「科挙」のように、すべての者に身分の壁を乗り越えられるような機会が与えられる仕組みが整うことを夢みていると語る。

一方この頃、藤原斉信の妹・藤原光子(竹内夢)のもとにたびたび忍んで通っていた伊周。ある日、斉信の屋敷の前に見事な牛車が止まっていたのを目撃し、光子に別の男性の存在を察して傷つく。裏切られたと落ち込む伊周だったが、弟の隆家(竜星涼)が相手の男に仕返ししようと言い出し、強引に女性の屋敷へ連れていかれる。ちょうど屋敷から出てきた男めがけて隆家が矢を放つが、その相手はかつて右大臣家の策略で退位に追い込まれ出家した花山天皇こと、花山院(本郷奏多)だった。

■第20回「望みの先に」あらすじ

道長の配慮で従五位下に叙爵されたまひろの父・為時(岸谷五朗)が淡路守に任命される。花山天皇の退位後に失職し、長らく不遇の時期を過ごしてきた為時だったが、ようやく訪れた転機にまひろの弟・惟規(高杉真宙)と乳母のいと(信川清順)も大喜びする。しかしまひろは、宋の言葉を解する父は越前守の方が適任だと考えていた。

一方で内裏では、伊周と隆家が花山院に対して矢を放った一件で騒然としていた。自分の相手の光子のもとにほかの男性が通っているというのは伊周の誤解で、光子と同じ屋敷に住み、かつて寵愛していた藤原忯子(井上咲良)の妹である女性のもとへ花山院が通っていたというのが真相だった。

一条天皇は伊周たち兄弟に厳しい処分を命じ、隆家は出雲権守に、伊周は太宰権帥に、それぞれ左遷されることになる。さらに一条天皇の中宮・定子(高畑充希)は、兄弟の不祥事によって内裏を出ることを命じられる。絶望のふちに立った定子は・・・。

本作は、日本最古の女性文学『源氏物語』の作者である紫式部が、秘めた情熱と想像力、そして生涯心を寄せる相手となる藤原道長への想いを原動力に、変わりゆく世を懸命に生き抜いていく愛の物語。放送は、NHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。