東京競馬場で5月26日(日)に行われる日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。目前に迫る“競馬の祭典”で、これまでに生まれた金字塔とは。今回は調教師にまつわる記録について深堀りする。

 90年を超える歴史において、管理馬が最も多く勝利したのは尾形藤吉(景造)師である。尾形師は1900年代から81年にかけて騎手、調教師として活躍。中央競馬のトレーナーとして歴代最多となる1670勝(※日本中央競馬会発足後に限る)を挙げたほか、日本ダービーは34年のフレーモアを皮切りに8勝した。その数々の功績から俗に“大尾形”とも。日本競馬の発展に大きく寄与した名伯楽は、不滅の記録を残している。

 次点には3勝で4人が並ぶ。セントライトなどを管理した田中和一郎師、カブトヤマなどの大久保房松師、さらにゴールデンウェーブなどの藤本冨良師。そして、現役最多の勝利数なのが友道康夫師だ。2016年にマカヒキで初制覇すると、18年にワグネリアン、22年にドウデュースで勝利している。今年は皐月賞馬のジャスティンミラノで、歴代単独2位となる4勝目を狙う。

 ほかに複数勝利を挙げている調教師は15人いるが、現役では矢作芳人師、藤原英昭師、堀宣行師の3名。藤原師は今年の出走馬がいないが、矢作師がシンエンペラー、ミスタージーティー(抽選対象)の2頭、堀師がゴンバデカーブース、ダノンエアズロックの2頭を送り込む。

 今年の登録馬19頭のうち、友道師、矢作師、堀師を除く13人はいずれも初制覇がかかる。大レースを勝った経験をもとに4勝目または3勝目を挙げるのか、それとも新たにダービートレーナーの称号を手に入れるのか。本番直前まで、各陣営は懸命の調整を続ける。