5月26日(日)に東京競馬場で行われる第91回日本ダービー(3歳牡牝・GI・芝2400m)。3歳馬7906頭の頂点を決める注目の一戦を目前に控え、世には血統や調教、陣営情報が多く飛び交っている。そんな中、当記事では一般的な予想ファクターとは異なった視点から日本ダービーを紐解いていきたい。今回は今年3月、北陸新幹線金沢〜敦賀間の延伸開業にちなみ、新幹線開業と日本ダービーの関係性を調べてみた。

 1964年の東海道新幹線開通を皮切りに、全国に10路線、総距離約3000kmの路線網を誇る新幹線。速達性、安全性を兼ね備えた日本が世界に誇る技術の結晶とも言えよう。近年では22年に西九州新幹線(佐賀・武雄温泉〜長崎)、今年は北陸新幹線(金沢〜敦賀)が開業し注目を集める。そんな新幹線の開業・延伸が行われた年の日本ダービーにはどのような共通点があるのだろうか。

 過去16回行われた新幹線開業・延伸年の日本ダービーで、1番人気が10勝(勝率62.5%)、上記にはないが馬券圏内だと驚異の9割超え(22年ダノンベルーガの1番人気4着のみが馬券圏外)という数字になっている。いくら上位人気馬が強い日本ダービーと言えど、この数値はなかなか偶然とは言い難い数値。

 また、騎手の観点から見ると、のべ16人のうち11人の騎手が“ダービージョッキー”の称号を初めて獲得しているのも見逃せないデータだ。

 今年の日本ダービーに目を移すと、前日最終オッズ時点で1番人気に支持されているのは皐月賞馬・ジャスティンミラノ。そして鞍上は、今回勝利すると初の“ダービージョッキー”の称号獲得となる戸崎圭太騎手。北陸新幹線の敦賀延伸年である今年、過去の例に則ると馬券圏内は堅いと判断することができる。馬券の軸にするのも面白いのではないだろうか。

 競馬の祭典・日本ダービーで、夢の超特急・新幹線の如く府中のターフを先頭で駆け抜けるのは一体どの馬か。今日、5月26日15時40分、栄光に向かって出発進行。

【新幹線の開業・延伸年のダービー】
1964年:シンザン/栗田勝騎手/1人気 (東海道新幹線東京〜新大阪開業)
1972年:ロングエース/武邦彦騎手(初)/1人気 (山陽新幹線新大阪〜岡山開業)
1975年:カブラヤオー/菅原泰夫騎手(初)/1人気 (山陽新幹線岡山〜博多開業)
1982年:バンブーアトラス/岩元市三騎手(初)/7人気 (東北新幹線大宮〜盛岡開業、上越新幹線大宮〜新潟開業)
1985年:シリウスシンボリ/加藤和宏騎手(初)/1人気 (東北新幹線上野〜大宮開業)

1991年:トウカイテイオー/安田隆行騎手(初)/1人気 (東北新幹線東京〜上野開業)
1992年:ミホノブルボン/ 小島貞博騎手(初)/1人気 (山形新幹線福島〜山形開業)
1997年:サニーブライアン/大西直宏騎手(初)/6人気 (北陸新幹線高崎〜長野開業、秋田新幹線盛岡〜秋田開業)
1999年:アドマイヤベガ/武豊騎手/2人気 (山形新幹線山形〜新庄開業)
2002年:タニノギムレット/武豊騎手/1人気 (東北新幹線盛岡〜八戸開業)

2004年:キングカメハメハ/安藤勝己騎手(初)/1人気 (九州新幹線新八代〜鹿児島中央開業)
2010年:エイシンフラッシュ/内田博幸騎手(初)/7人気 (東北新幹線八戸〜新青森開業)
2011年:オルフェーヴル/池添謙一騎手(初)/1人気 (九州新幹線博多〜新八代開業)
2015年:ドゥラメンテ/M.デムーロ騎手/1人気 (北陸新幹線長野〜金沢開業)
2016年:マカヒキ/川田将雅騎手(初)/3人気 (北海道新幹線新青森〜新函館北斗開業)

2022年:ドウデュース/武豊騎手/3人気 (西九州新幹線武雄温泉〜長崎開業)