演歌歌手美貴じゅん子(50)が15日、都内で、新曲「海峡流れ星」の発売記念ライブを行った。

1996年(平8)に「ほおずき」でデビュー。順調な滑り出しを見せたがヒット曲に恵まれず、2002年のリリースを最後に芸能界を事実上引退した。その後はアルバイトをしながら復帰の機会を待ち、約10年後の12年に「篝火挽歌」の発売で復活した。

来年から30周年イヤーに入るが「新曲を出させていただけることが決して当たり前じゃないと分かっています。曲を出してもらえる思いはだれよりも強い」と歌える喜びを明かした。

作曲の岡千秋氏からは「じゅん子の一番よい声を出した」と言われている。そして「でも微妙な音域が広くて難しい歌なので、一言一句を丁寧に歌って欲しい」とのアドバイスも受け取った。「時間はかかっているが、少しずつ成長させてもらっています。岡先生に恩返しをできるように、そして『じゅん子にこの曲を提供して良かった』と言ってもらえるように頑張ります」と話した。

作詞の石原信一氏への感謝も語った。「石原先生にお願いしたのは私の希望でした。歌詞をいただいて、ほろりと涙がこぼれた。これは私にしか歌えない歌です」。

最後は周囲への感謝の言葉があふれた。「これまでに出会った皆さまに恩返しの気持ちで歌います。でも特に84歳の母には感謝しています。女手一つで育ててくれたのに、何ひとつ親孝行ができていないから」。

ファンのため、そして母のために苦労人の美貴は歌い続ける。