《年収さえ高ければ……》

 婚活に関する調査結果について、SNSでこんな声が聞かれる。婚活事業大手IBJが4月15日に公表したのが、自社ネットワークで成婚退会した1万3516人のデータをもとに成婚に結びつく重要ポイントを検証した「成婚白書2023年度版」。

 いま取り沙汰されているのは、この白書の中の「男性の年収別、成婚相手との年齢差」というグラフで、成婚する男性と女性の年齢がどれくらい離れているかを男性の年収ごとに示したものだ。年収の幅は300万円から2100万円まであり、例えば年収300万円の場合、マイナス1.7歳差で相手と比較的年齢が近いのに対して、年収2100万円の場合、相手とマイナス8.3歳差あることがわかる。

 この結果に《残酷すぎる》《おじさんでもカネがあれば、若い子と結婚できるのが現実》といった声が聞こえるが、年収と年齢はおおむね相関関係にあり、高収入男性ほど年齢が高くなるので当然の結果と言えそうだが、実情はどうなのか。

■高収入だから結婚できるワケではない?

「これまでは年収が高ければ、中高年男性でも成婚しやすい傾向にありましたが、最近はそうでもなくなっています。うちに来られる男性には40代後半で年収1000万円超という人がたくさんいますが、男性が稼いでいればそれでいいという感覚は、女性からどんどん薄れている印象です」と話すのは、結婚相談所マリーミー代表で恋愛・婚活アドバイザーの植草美幸氏。パパ活卒業組でない普通の婚活女性の場合、相手の年収が結婚の最重要条件ではなくなりつつあるとのこと。

「30代後半なら、自分で稼いでいる女性は少なくありません。そのため、自分より年収が低くなければ、必ずしも男性が稼ぐ必要はないという女性は多くなっています。それよりも、身だしなみや体形など清潔感や若々しさのほか、会話の中身を重視したり、妊活、出産、子育てと将来を見据えて、家事など日々の生活で協力的な人をパートナーに選ぶ傾向が強くなっています。それと、上司のような口調でことあるごとに口うるさく話したり、自分のやることに制限をかけてくるような男性は敬遠されがちです。どちらかというと、今はお金よりこうした条件を重視する傾向が見られます」(植草美幸氏)

 男性もカネさえあれば、という時代ではなくなっている。