西武の渡部健人内野手(25)が9日、埼玉県所沢市のベルーナドームで行われた全体練習で松井稼頭央監督から打撃指導を受けた。スイングの幅が小さくなって力が伝わりにくくなっていた点を修正。直後のフリー打撃ではバックスクリーンへの直撃を含めて柵越えを連発し「感触も違って振りやすい」と手応えをにじませた。

 「ベッケン」の愛称で親しまれている渡部は昨年自己最多の57試合に出場し、打率2割1分4厘ながら6本塁打をマーク。今年の飛躍が期待されたが、春季キャンプ直前に体調不良でB班(2軍)スタートとなり、3日に今季初昇格してからも5試合に出場して16打数1安打、打率0割6分3厘で本塁打ゼロ、8三振と低迷していた。

 見逃し三振が3個あり「迷ってしまう部分が半分以上あった」と反省。既にチームトップの5本塁打を放っている40歳の中村剛也に敬意を払い「中村さんはどの球も同じスイングしているので、相手投手も怖いだろうと思う。自分はなんとかしなきゃと余計なことを考えるので、考え方を変えたい」とスラッガーとして堂々と立ち向かう意識を心がけた。

 10日に先発する楽天・早川からは昨年6月25日の初対戦時に2ランを放った。「同学年でもあるので」と意識する左腕から再び一発を放ち、浮上のきっかけにする覚悟だ。12球団ワーストのチーム打率2割3厘に沈む上、メジャー通算114発のアギラーが右足首痛で出場選手登録を抹消された西武打線にとっても、未来の主砲候補の一発は待ち遠しい。渡部も「チームの勝利に貢献できれば自分の結果がついてくる」と顔を上げた。