◆ロッテ2―0ソフトバンク(25日、ZOZOマリン)

 自慢の強力打線が沈黙した。ソフトバンクがわずか4安打で今季3度目の零封負けを喫し、6カードぶりの負け越しが決まった。小久保裕紀監督は「この打線をあそこまで抑えるんだから、相手が良かったということ」と潔かった。

 防御率1点台の左腕メルセデスに打線が苦しめられた。前回対戦した4月3日も6回0/3で1得点にとどまった。この日も正確な制球力に加えて、微妙に変化する直球に対応できなかった。4併殺は今季最多で、一度も三塁を踏めなかった。

 首位を走るチームの数少ない課題が浮き彫りになった。ここまで両リーグトップの196得点、チーム打率2割6分3厘を誇るが、左投手には苦戦する。今季の12敗のうち8敗は日本ハムの山﨑、オリックスの宮城、西武の武内ら左腕が先発した試合だった。

 柳田悠岐、近藤健介ら左打者が並ぶ打線にとって、左投手対策は近年の課題でもある。今季は4番に山川穂高という強力な右打者が座るが、データは顕著に表れている。村松有人打撃コーチは「左打者が多いというのもあるけど、左は良いピッチャーも多いから」と指摘する。

 今カードではロッテの勢いに苦しみながらも、貯金は17を記録する。小久保監督も「これだけ勝っていて(対左投手の)勝率(が悪い)と言われても困るので頑張ります」と冷静に振り返った。交流戦を迎える前に、まずは悪い流れを断ち切りたい。(大橋昂平)