作曲家のキダ・タローさんが14日、亡くなった。93歳だった。15日、所属事務所の公式ホームページで発表された。関西だけでなく、日本中に悲しみが広がった。

 シンガー・ソングライターの円広志は、自身のYouTubeチャンネルで「緊急追悼配信」動画を公開し、ありし日、元気にピアノを弾くキダさんと円が笑顔で絡む動画を投稿。キダさんが遺した音楽をたっぷり届け、テロップで「キダ先生 長い間、お世話になりました」と贈った。

 キダさんは1930年12月6日生まれ、兵庫県宝塚市出身。“浪花のモーツァルト”として、関西でこよなく愛された。昨年末には、キダさんが「アホの坂田」テーマを手がけた吉本新喜劇・坂田利夫さんが死去したばかりだった。

 代表曲には、「アホの坂田(コメディーNo.1)」のテーマをはじめ、「かに道楽」「551蓬莱」「くいだおれ」などのCMソング多数。さらに『2時のワイドショー』や『プロポーズ大作戦』などの番組ソングも担当した。ユニークな語り口で『探偵!ナイトスクープ』最高顧問を務めるなど、生涯現役を通した。

 訃報を受け、『探偵!ナイトスクープ』番組公式Xは「最高顧問キダ・タロー先生が、お亡くなりになりました。 4月19日の放送が、最後の出演となりました。 これまで最高顧問として、上岡さん、西田さん、松本さんという3人の局長を、そして、探偵たちの働きぶりを、我々スタッフを、優しく、厳しく、見守っていただきました。 ご冥福をお祈りいたします」と追悼。

 また、同番組の構成作家を手がけた百田尚樹氏は「キダ・タローさんがお亡くなりになった。30年以上、一緒にお仕事をさせていただいた。音楽の才能もユーモアのセンスも抜群の人だった。ご冥福を祈ります」としのんだ。

 キダさんがかつて所属した昭和プロダクションは、同社のXで「キダ・タローさんの訃報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。キダさんには昭和プロダクションを長きに渡り支えていただき、感謝しかございません。故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。本当にありがとうございまし」とつづった。

 ジャンルや地域を超えて親しまれたとあって、「東京育ちですが『かに道楽』『2時のワイドショー』『生活笑百科』『ラブ・アタック』『アホの坂田』等キダ・タロー先生の名曲の数々が思い出されます。ご冥福をお祈りいたします」など、SNSなどを通じて全国から声が寄せられている。