PRESIDENT Online 掲載

幸せな人生の結末を迎えるにはどうしたらいいか。看護師の木村まりさんは「多くの人は『ピンピンコロリ』で死にたいと願っても健康寿命から平均寿命までは約10年くらいの差があり、その間に私たちは何らかの病気や障がいを負って、寝たきりや認知症で介護が必要な状態になっている。しかし、多くの人はその10年間を想像し計画を立てない。これでは『お餅を食べて死ねるなら本望だったのに、どうして私を助けたんだ』と、終わりの見えない治療の中で、いつしか家族を恨めしく思ってしまう事態になりかねないだろう」という――。

※本稿は、木村まり『幸せに人生を終えた人から学んだこと』(自由国民社)の一部を再編集したものです。

■人生は目標を掲げて行動することの連続である

私たちは常日頃から様々なことに対して、計画を立てながら生活しています。

身近なものでいうと、食事のメニューなんかもそうですね。昨日の夕飯は魚だったから今日はお肉にしようか。冷蔵庫の中身は何が残っていたかしら。あさって食材が届く予定だから、それまでに使い切るようにしよう、などなど。未来の予測を立てながら生活を送っています。

人生を生きる上での大きな目標といえば、入学、卒業、就職、結婚、子育て、定年などでしょうか。そのときどきのライフステージごとに、どんな未来が待っているのだろうと想像し、自分の目標や夢を実現するために行動してきています。

多くの方が人生プランの中で、定年後の生活などについても目標を掲げながら生きてきたと思います。

家族のために一生懸命、子育てを頑張ってきたから、定年後は自由に自分の時間を使いたい。これまで仕事一筋だったから、定年後はゆっくり家族と旅行に行きたい……など。

セカンドライフの計画を夢見ながら、今の暮らしを楽しんでいる方も多いかもしれません。

私たちはこのように生きる目標を常に探し、その目標を達成するために計画を立てながら人生を歩んでいます。