東京女子プロレスが5月6日、東京・後楽園ホールで「YES! WONDERLAND '24」を開催した。3月31日の東京・両国国技館で山下実優を破り、プリンセス・オブ・プリンセス王座を戴冠した渡辺未詩が誰よりも尊敬する先輩・中島翔子の挑戦を退けて初防衛に成功した。

 4月13日の東京・北沢タウンホールでの6人タッグ戦で中島が渡辺に直接勝利を挙げて挑戦表明する形になったが、渡辺自身も中島とのタイトル戦を強く望んでいた。両者は過去4度シングルで対戦しており、変則ルールを含めると中島の3勝1敗。通常の3カウントルールでは1勝1敗のイーブンだった。
 
 序盤はお互いの力を確かめるかのようにじっくりしたグラウンドでのレスリングの攻防。中島は高角度での619、首4の字固め、無人在来線固め、さらにはトペを敢行。渡辺はエプロンでのカナディアン・バックブリーカー、串刺しボディアタックで反撃。渡辺のジャイアントスイングは中島が阻止して、スタンド式の無人在来線固めで切り返す。そしてトペ・コンヒーロをぶっ放す。中島がコーナーに上ると、渡辺が抱え上げて強引に開花式ジャイアントスイングでぶん回す。中島はノーザンからロコモーション式を狙うも、渡辺はパワースラムで逆襲。渡辺のティアドロップをかわした中島はウラカンラナから619。間髪入れずダブルアーム式DDTを狙うも、渡辺はダブルハンマー、ショートレンジのレーザービーム、そしてティアドロップを決めて3カウントを奪取した。

 渡辺は「中島さんとこのベルトをかけて戦うことができて、すごいうれしかったし、勝つことができてうれしかった。一つチャンピオンとして成長できたかなと思います。新時代みたいに言われるけど、新時代っていうのは、今ここにいる全員が新時代の一員だと思う。ここから先、このベルトをかけて全員と戦って、どんどん東京女子プロレスを大きくしていきたいし、もっともっとチャンピオンとして成長していけるよう頑張りたいと思います」と歓喜のマイク。

 バックステージで渡辺は「中島さんは、努力が結果につながるんだっていうのを体現してくれた先輩なので、とても尊敬してるし。アジャ(コング)さんみたいになるって言ってたけど、本当にアジャさんみたいに一生強いんだろうなって。この先、2年後も3年後も10年後も50年後も、私が続けていれば、たぶん中島さんとタイトルマッチできるので。今回は先輩みたいな意識があったんですけど、この1試合で成長することができたと思いたいので、ここから中島さんと切磋琢磨できるようにもっと頑張りたいなと思いました」とコメント。

 1年7ヵ月ぶりの王座奪還がならなかった中島は「悔しい。これが最後だと思ってって言い方をしたんですけど、悔しすぎますね。また挑戦するしかないですね。私は二言がある女なので、今日負けたから、次また挑戦できるよう虎視眈々と積み重ねていこうかなと思います」と悔しさを露わに。そして「(渡辺は)ここ一番のときも、心の折れない感じとかをへし折ってやろうと思って、最初から出し惜しみしなかったんですけど。折れなかったですね。そこの強さを感じました。(ベルトは)私は狙ってますよ。まだ10年。私はアジャコングになるんです。あと20年くらいですかね。粘っていこうと思ってます」と前を向いた。

 【大会名】YES! WONDERLAND '24
【日時】2024年5月6日(月・祝)
【会場】東京・後楽園ホール
【観衆】756人

▼第1試合 15分1本勝負
●凍雅 vs 鈴木志乃○
8分21秒 後方回転エビ固め

▼第2試合 20分1本勝負
桐生真弥&●七瀬千花&キラ・サマー vs 宮本もか&鳥喰かや○&高見汐珠
9分43秒 鳥籠

▼第3試合 15分1本勝負
○まなせゆうな vs 大久保琉那●
5分45秒 片エビ固め
※鈴木ダイナミック

▼第4試合 15分1本勝負
○伊藤麻希 vs 風城ハル●
9分42秒 伊藤パニッシュ

▼第5試合 20分1本勝負
辰巳リカ&○愛野ユキ vs らく&原宿ぽむ●
12分2秒 愛と炎のフルネルソン

▼第6試合 20分1本勝負
○荒井優希&上福ゆき vs 瑞希&角田奈穂●
10分38秒 片エビ固め
※Finally

▼セミファイナル プリンセスタッグ選手権試合 30分1本勝負
<王者組>鈴芽&○遠藤有栖 vs 上原わかな&HIMAWARI●<挑戦者組>
15分1秒 片エビ固め
※什の掟。第16代王者組が初防衛に成功。

▼メインイベント プリンセス・オブ・プリンセス選手権試合 30分1本勝負
<王者>○渡辺未詩 vs 中島翔子●<挑戦者>
21分11秒 片エビ固め
※ティアドロップ。第14代王者が初防衛に成功。

 〈写真提供:東京女子プロレス〉