[東京 23日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比296円38銭高の3万8913円48銭と反発して取引を終えた。注目されていた米半導体大手エヌビディアが好決算を発表し、半導体関連株など指数寄与度の高い銘柄が日経平均を押し上げた。しかしマイナス圏に迫る場面もみられ、前場を通して荒い値動きとなった。市場では国内金利の高止まり傾向などが日本株の上値を抑えているとの指摘もあった。

前日の米国株市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のタカ派的な内容を受けて主要3指数がそろって下落したが、引け後にエヌビディアが市場予想を上回る決算を発表したことを受け、日本株は総じてしっかりだった。日経平均は186円高で寄り付いた後、まもなく321円高で高値を付けた。その後は失速し、マイナス圏まであと33銭迫る水準まで上げ幅を縮小したが、戻り歩調となった。

日経平均はエヌビディアの決算を好感したものの、積極的に上値を追う展開にはならなかった。市場では「日銀の金融政策に不透明感が漂う中、足元の日本株は下向き。エヌビディアが好決算を発表しても反応しづらい」(マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジスト)との声があった。

日銀の早期追加利上げ観測などを背景に、前日に1%台に乗せた国内金利は0.995%と高止まっている。「日銀警戒が高まる中で、買いが広がりにくい」(国内証券ストラテジスト)との声も聞かれた。

主力株では、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンがしっかり。ディスコは6.81%高となった。半面、ネクソン、住友金属鉱山は売られた。

東証株価指数(TOPIX)は0.37%高の2747.49ポイントで取引を終えた。プライム市場の売買代金は2兆2836億0300万円だった。東証33業種では、値上がりは繊維、精密機器、電気機器、機械など19業種で、値下がりは石油・石炭製品、非鉄金属、鉱業など14業種だった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが824銘柄(50%)、値下がりは758銘柄(45%)、変わらずは66銘柄(4%)だった。