スペインメディアの『カデナ・セール』は21日、来季のセリエA昇格を決めたコモでアシスタントコーチを務めるセスク・ファブレガス氏が指導者としての視点で語るインタビューを放送した。


 現在37歳のセスク氏は現役時代にアーセナルやバルセロナ、チェルシー、モナコなどで活躍。昨シーズン限りでセリエBのコモで現役引退をすると、そのまま同クラブのU−19チームの監督に就任した。トップチームを率いていたモレノ・ロンゴ元監督が解任されたことを受け、昨年11月から約1カ月間はトップチームの暫定監督に就任し、現在はアシスタントコーチを務めている。


 セスク氏は現役選手の終盤は「トレーニングを楽しめていなかった」と告白。そのうえで「指導者になって失っていたハングリー精神を取り戻すことができた」と話し、コモで指導者としてのキャリアを開始したことにより情熱を取り戻したと明かした。


 また、セスク氏は試合で勝利することが大前提としながら「所属する選手たちのことを知る前に、やりたいスタイルをチームに押し付けるのはエゴイスト的な考えだ。それは、チームが名声を得ることよりも、指導者が個人的な名声を得ることを目的としている」と話し、選手の特性を活かしてチーム作りをすべきであるという考えを示した。


 更にバルセロナ出身のセスク氏が、将来レアル・マドリードを率いる可能性があるかと問われると「選手時代にレアル・マドリードと契約する可能性があった。けど、色々な理由でそれはしなかった」と告白したうえで、「バルセロナもレアル・マドリードもビッグクラブだし、指導者としての自分にオファーを出さないかもしれない。けれど、こういうビッグクラブで指導者として仕事をするためには、毎日しっかり働いて勝ち続けることが必要だ」と自らの考えを示した。


 なお、セスク氏は自らを指導した監督たちの印象を以下のように語った。


■ルイス・アラゴネス氏(元スペイン代表監督):

何が何でも勝つ姿勢。


■ ビセンテ・デル・ボスケ氏(元スペイン代表監督):

冷静さを保ち、自らのアイデンティティを維持しながら自分が身を置く環境に対応できる。


■ジョゼップ・グアルディオラ監督(元バルセロナ監督):

戦術的なことを一番学んだ監督。


■アーセン・ヴェンゲル氏(元アーセナル監督):

監督としてクラブをどう管理し、動かすかを知っている。


■ジョゼ・モウリーニョ氏(元チェルシー監督):

セスクの心をどうコントロールするかもっともよく知っていた。



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