ヨーロッパリーグ(EL)決勝が22日に行われ、アタランタがレヴァークーゼンを3−0で破り、クラブ史上初となる欧州の大会での優勝を飾った。試合後、アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督が、喜びの声を届けた。


 どちらも今大会のグループステージから大会を戦ってきたチーム同士の一戦は、序盤の12分に動く。アタランタは左コーナーキックのこぼれ球を回収すると、ダヴィデ・ザッパコスタが右サイドのニアゾーンを破り、最後はマイナスのスペースへ走り込んだアデモラ・ルックマンがダイレクトで仕留める。続く26分には、セカンドボールを拾ったルックマンが、ペナルティエリア手前から個人技で相手を置き去りにし、自ら右足で豪快な一撃を叩き込んだ。


 守ってはマンツーマンを主体とした人に厳しく行く守備で相手に自由を与えず、前半を2点リードで折り返す。後半へ入っても決定機を作らせずにいると、75分には自陣でのボール奪取からトドメを刺す。ジャンルカ・スカマッカがボールを持ち運び、相手を密集させて左へ繋ぐと、待っていたルックマンが縦への仕掛けから左足でゴールネットを揺らした。


 試合はこのまま3−0でタイムアップ。この結果、アタランタは今季公式戦51試合無敗を続けていたレヴァークーゼンに初めて土をつけ、タイトルを勝ち獲った。なお、前身大会のUEFAカップ時代除くと、イタリア勢の優勝は初。UEFAカップ時代を含めると、1998−99シーズンのパルマ以来、25年ぶりの大会制覇を達成した。


 試合後、『UEFA.com』がガスペリーニ監督のコメントを伝えた。「我々は歴史に名を刻んだ。この決勝における勝ち方も誇りに思えるものだったと思う」と率直な心境を明かすと、「ただただ、並外れたことを成し遂げた。今季の国内リーグを制したスポルティングを破っただけでなく、対戦時にはプレミアリーグで1位だったリヴァプールも打ち負かしたんだ」と、ラウンド16および準々決勝で各国リーグの優勝争いに身を置いていた相手を破ったことを誇った。「そして今度はドイツ王者相手に勝利した。信じられないよ。選手たちは本当に素晴らしかったし、記憶に残るパフォーマンスだった」と、圧巻のパフォーマンスを見せたチームを称えている。


 加えて、ガスペリーニ監督はアタランタというチームの“スタイル”にも言及。「我々は3枚のFWを置いてプレーすることが多い。勝つためのすべての条件が揃っていたと思う。いつも通り、危険なプレーをしなければならなかった。決勝だからこそリスクを避けるという考え方があるかもしれないが、我々は違う。決勝だから、勝つことだけが重要だからこそ、危険なプレーをする必要があったんだ」と自らの考えを明かし、「このようなプレーが我々に有利に働くことはわかっていた。素晴らしい試合だったよ」と喜びを露わにした。


 なお、アタランタの初のELタイトルをもたらしたガスペリーニ監督は、UEFAカップ時代を含めても、優勝を経験した9人目のイタリア人監督となった。66歳と117日でのタイトル獲得は、昨季のセビージャ指揮官だったホセ・ルイス・メンディリバル氏を上回る数字。ELとなってからは最年長で優勝を成し遂げた監督となった。



【ハイライト動画】アタランタが初の戴冠