ラ・リーガ第38節が25日に行われ、レアル・マドリードとベティスが対戦した。


 今季、一時はジローナに首位の座を譲ったこともあったが、直接対決を制してからは独走態勢に入っていたレアル・マドリード。今月4日に行われた第34節で、当時2位につけていたバルセロナがジローナに敗れたことで、4試合を残して2年ぶり通算36回目のラ・リーガ制覇を決めていた。


 既に国内制覇は決めたものの、今季はチャンピオンズリーグ(CL)で2年ぶりにファイナルへ進出していることから、勝利して弾みをつけたい最終節だ。本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』で迎え撃つベティスは、前節に久保建英が所属するレアル・ソシエダとの直接対決を落としたことで、7位フィニッシュが確定。それでも、最後に王者相手に意地を見せられるかに注目が集まる。


 試合は立ち上がりからホームチームが主導権を握り、左のヴィニシウス・ジュニオール、右のロドリゴの突破から多くのチャンスを作っていく。対するベティスもアジョセ・ペレスを軸にカウンターへ出る場面が目立ち、右サイドバックのエクトル・ベジェリンは前線への飛び出しからきわどいヘディングシュートを放つなど、存在感を放った。


 均衡が破れたのは39分、ベティスへ敵陣左サイドでフリーキックを獲得すると、フアン・ミランダが左足でゴールへ向かう鋭いボールを蹴り込む。これをGKティボー・クルトワがパンチングで処理すると、こぼれ球をジョニー・カルドーゾが押し込んだ。ベティスが先手を取ったかに思われたが、OFR(オンフィールドレビュー)が介入。ミランダからのキックに合わせようとしたマルク・ロカがオフサイドポジションにいたため、得点は取り消しとなった。


 スコアレスで後半に折り返すと、ベティスが構成を強めて次々とチャンスを作るが、GKクルトワが立ちはだかる。64分にはそのクルトワを下げて、GKケパ・アリサバラガを投入すると、直後のプレーではウィリアン・ジョゼがゴールネットを揺らしたものの、ここもオフサイドにより得点は認められない。


 終盤に入るとレアル・マドリードは前へ出るシーンの数を増やしたものの、なかなか決定機らしい決定機は作れない。結局、最後まで両者“決め手”を欠き、試合はこのまま0−0でタイムアップを迎えた。


 なお、EURO2024終了後の現役引退を発表したトニ・クロースにとっては、『サンティアゴ・ベルナベウ』での“ラストダンス”となったが、レアル・マドリードとしては、そんな記念すべき試合を白星で飾ることはできなかった。なお、先発でピッチに立っていたクロースは、86分にダニ・セバージョスとの交代でピッチを後にしたが、駆け付けたファン・サポーター、レアル・マドリードの選手たち、カルロ・アンチェロッティ監督、さらには家族からも拍手で送り出された。


 これにてベティスの2023−24シーズンは終了。一方で、レアル・マドリードは前記の通りCL決勝に進んでおり、6月1日にドルトムントと対戦する。


【スコア】

レアル・マドリード 0−0 ベティス


【得点者】

なし