パリオリンピック2024に出場するなでしこジャパンは27日、スペインでの国際親善試合2連戦(5月31日、6月3日、ともにニュージーランドと対戦)に向けて、日本から現地に向かうメンバーおよび池田太監督が出国した。


 出国前の取材に応じたマンチェスター・シティに在籍するMF長谷川唯は、「1年目の積み上げがあった中、(2年目は)良いシーズンになったかなとは率直な感想としてあります。ボールを回すところ、得点まで行く形は1年目より多くの良い形を作れました。勝たなければいけないチームというものをしっかり取り戻したシーズンだったと思います」と、今シーズンを総括した。


 一方で、リーグ戦では最後まで優勝争いをしながら、最終節前のアーセナル戦で終盤に2失点を喫して逆転前。この結果チェルシーにかわされて2位に終わった悔しいシーズンでもあった。「もちろん勝つつもりでいました」と回想しつつ、「1−1になったタイミングで、引き分けでもいいというメンタルをチーム全体としてどれだけ持っていられたかを考えると、焦っている選手が多かったと思います」と、ゲーム運びで最後に意思統一が取れなかったとし、「日本でもこういうタイミングがあれば、自分がしっかりと全体を落ち着かせられるようにしないといけないと学べたので、この経験は絶対次に生かさなければいけない」と、しっかりと糧にしないといけないと続けた。


 ニュージーランドとの連戦はオリンピック本大会メンバー発表前、最後の強化試合となる。オリンピック出場国ではあるがFIFAランキングでは日本が7位、ニュージーランドが28位と差がある相手でもあるが、「勝たなければいけないチーム」とし、「日本は勢いを出せない国柄だと思う。だけど、大会においてはそういうことも必要だと思うので、今回の1試合目の最初から出していければ」と、本大会を見据えた入りが重要であると説いた。


 18名の登録メンバーに入るための選考レースとチーム強化をともに考えなければいけない難しい2連戦となるが、27歳の長谷川は「(自分から)何かを発するするタイプではないですけど、厳しく求めていくことは大事だと思っています。それで、できなくなる選手がいてはいけない場所だと思いますし、負けたくないという気持ちが強い選手が残っていくと思うので。自分自身ももちろん他の選手に負けないようにしていきたいですし、良いプレーをしたら褒めることもそうですが、負けたくない気持ちも絶対に忘れず、全員がやるべきだと思います。あとは、自分の立場として、周りに若い選手も多いので、そういう選手がやりやすいようなプレーを心がけたいと思っています」と、チームをけん引する立場としての自覚とともに、競争を促している。


 なでしこジャパンは31日と6月3日(ともに日本時間23時キックオフ)にスペインのムルシアでニュージーランドと対戦。両試合とも日本サッカー協会(JFA)の公式YouTubeチャンネル『JFATV』で生配信される。