話題の新曲を最速で知れる、Spotifyの人気プレイリスト『New Music Wednesday』を、ナビゲーターの竹内琢也が深掘りするポッドキャスト『New Music Wednesday [Music+Talk Edition]』。このSPICEでは同番組で紹介されている、プレイリストだけでは知ることのできないエピソードやSpotifyのエディター(プレイリストを構成している人たち)のこだわりをピックアップして掲載。
今週は……1stアルバムをリリースしたimaseがカバーに登場! 海外進出を果たしたMILLENNIUM PARADEや、ニュース番組とタイアップした[Alexandros]、アルバムリリースを控える水曜日のカンパネラの新曲、B'zによるTM NETWORKのカバー、yuiの羊毛とおはなのカバーなど新作11曲を紹介! また紹介アーティストのライブやフェス情報も掲載しているので要チェック。番組への感想やリクエストは「#NMWミュージックアンドトーク」をつけてツイートを!

imase「Rainy Driver」

imaseのアルバム『凡才』がリリースになりました。imaseにとって初めてのアルバム作品で、2021年にリリースされたデビュー曲「Have a nice day」、Spotifyでは2億再生を突破した代表曲「NIGHT DANCER」、映画『SAND LAND』の主題歌「ユートピア」など初期からの代表曲を含む全19曲が収録されています。SpotifyなどのストリーミングだけでなくCDでもリリースされていますが、imaseがCDで作品をリリースするのは今回が初めてとなります。(この『凡才』は平凡な才能と書きますが、imaseさん本人が「『凡才』というタイトルには、特別歌が上手かった訳でも才能があった訳でもない“凡才”の僕が、どうしたらたくさんの方に聴いて貰えるかをたくさん考えて作った曲が詰まっている、という意味が込められています」と。そして漢字違いですが、盆栽にもかかっているようで、「海外でも人気のある「盆栽」のように、国内外問わずたくさんの方に愛されるアルバムにしたいという気持ちを込めました」とも語っています)

imaseは昨年Spotifyの『Gacha Pop』でもかなり聴かれ、香港のCMで楽曲が使われたり、今年は6月から初のアジアツアーを周ったりと海外でも多く聴かれてますので、そういう意味も込められているのでは。それにしてもこの数年のimaseさんの快進撃はすごいです。2000年生まれで現在23才。20歳の時にギターを初めて買って音楽を始めて、初めてオリジナル曲をSNSに投稿したのが2021年。まだ3年しか経っていません。2022年にお客さんとして人生で初めてライブを観に行き、コロナ禍でのデビューだったので初ライブは同年の末にオンラインライブで開催。そこから昨年はLE SSERAFIMに楽曲提供、初のフェス出演。『SUMMER SONIC』では私もこの番組でインタビューさせていただきました。『New Music Wednesday』には「Rainy Driver」がリストインしています。(今年は初のライブツアーにマクドナルドとのコラボもありましたね。音楽を初めてから数年しか経っていませんが、今では完全に令和のJ-Popを代表する存在。夢があります……。その軌跡が詰まったアルバムだと思います)

Bonbero「Naked Eyes (feat. Kohjiya)」

Bonberoの新曲「Naked Eyes (feat. Kohjiya)」がリリースになりました。昨年はヒップホップフェスティバル『POP YOURS 2023』のオリジナル楽曲としてLANA、Watson、MFSとの「Makuhari」に参加。Skaaiとの「SCENE!」も話題になりました。今年はBAD HOPのBenjazzyとの楽曲「B2B」への参加し、5月8日(水)には今年の『POP YOURS 2024』のオリジナル楽曲としてJJJ、韓国のラッパーブラセとの「YW」(イェンウォン)をリリースするなど、様々な話題を振りまき、新たな世代を代表するラッパーとなっているBonbero。(「YW」はSpotifyが展開しているJ-Hip Hopのフラッグシッププレイリスト『+81 Connect』とK-Hip Hopのフラッグシッププレイリスト『KrOWN』がそのネットワークとキュレーション力を活かしてキャスティングをサポートし、国境を越えたコラボレーションが実現。Spotifyが制作協力を行ったミュージックビデオも公開されました! 各プレイリストのポスターも一瞬写っています)

新作はラッパーKohjiyaを客演に招いた楽曲となっています。BonberoとKohjiyaのコラボはかなりホット。Bonbero、Kohjiya共に、5月18日(土)、19日(日)に幕張メッセで開催される『Pop Yours』の初日に登場します。(Kohjiyaは『ラップスタア 2024』で注目され、5月1日(水)にKaneee、Yvng Patraとの「Champions」をリリース。この曲も今年の『Pop Yours』のオリジナルソングで、時系列に関連曲を追っていくと、LEX&LANAの「明るい部屋」と「Champions」、「YW」となっています)

MILLENNIUM PARADE「GOLDENWEEK」

MILLENNIUM PARADEの新曲「GOLDENWEEK」がリリースになりました。PlayStationが手掛ける『PULSE Elite(TM)ワイヤレスヘッドセット』の北米キャンペーンソングに起用されています。『New Music Friday Japan』のカバーを飾り、『New Music Wednesday』にリストイン。Spotify Japanの急上昇チャートのトップ5にもランクインするなど初週から多くのリスナーに聴かれています。(MILLENNIUM PARADEはアーティスト名義が変わりました。元々は小文字のmillennium paradeという表記でしたが、過去音源は不思議な文字になってます。ネットで検索すると「MILLENNIUM PARADE / 文字化け」と出てくるように、文字化けしたのかなと思う感じのフォント。Rolling Stone誌の記事によると「彝文字(いもじ)」という、中国雲南省、四川省、貴州省、広西チワン族自治区などに住むイ族の言語の表記に使われる文字だそう。確かに調べると似ていました……。新曲は大文字のMILLENNIUM PARADE名義でリリースされ、Spotifyでも新たな名義でページができています。ここから新しい章に突入したと考えるのが自然でしょうか)

MILLENNIUM PARADEは今月アメリカのEPIC US、欧州のRCA UKという2大レーベルと契約し世界進出を本格化させることを発表しています。(なので海外をかなり意識したサウンドによりなっているという事でしょう……。ソングライターには、昨年大ブレイクした南アフリカ出身のポップニュースター、タイラのデビューアルバムにガッツリ関わったビリーヴが参加。こういうコラボも増えてきそうです)

長谷川白紙「Boy’s Texture」

長谷川白紙の新曲「Boy’s Texture」がリリースになりました。昨年フライング・ロータスが主宰し、ハイエイタス・カイヨーテ、ルイス・コール、カマシ・ワシントン、サンダーキャットなどが所属する名門レーベル、ブレインフィーダーと契約した初の日本人となった長谷川白紙。今作はパリ・ファッションウィークでのnoir kei ninomiyaの『Spring/Summer 2024』のショーのために書き下ろした曲が元になっており、ギターで西田修大が参加。マスタリングはビョークなども手がけるヘバ・カドリーが担当しています。(昨年ブレインフィーダーからの第1弾シングルとしてリリースした「口の花火(Mouth Flash)」は私の個人的な2023年ベスト5曲のひとつ。カオティックででもポップで長谷川白紙さんらしさも、ブレインフィーダーらしさもあるダンスミュージックで控えめにいって最高でした。今作もこの優しい音ざわりと、カオティックな色んな声、ビート、リズムに美しいコーラスと、カオスでいいですね……)

自身約4年8カ月ぶり、ブレインフィーダー移籍後初となるのアルバム『魔法学校』を7月24日(水)にリリースすることが発表されています。アルバムにはルイス・コールやサム・ゲンデルらとのコラボレーションでもおなじみのジャズベーシスト、サム・ウィルクスやKID FRESINOの参加が発表されています。

[Alexandros]「アフタースクール」

[Alexandros]の新曲「アフタースクール」が『New Music Wednesday』にリストインしました。2022年にアルバム『But wait. Cats?』をリリースし、昨年はWurtSとのコラボシングル「VANILLA SKY」、年末にシングル「todayyyyy」をリリースした[Alexandros]。5月15日(水)に約2年ぶりとなるCDシングル「SINGLE 1」をリリースし、昨年リリースした「todayyyyy」、ローファイな手触りの新曲「冷めちゃう」、「Girl A」をアップデートさせた「Girl A (:D)」、そして「アフタースクール」という4曲が収録されています。『New Music Wednesday』にリストインした「アフタースクール」はテレビ東京で放送中の経済ニュース番組『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のエンディングテーマに起用されています。

(ニュース番組のエンディングに影響された部分は多いはず。リリースのタイミングで出された川上洋平(Vo.Gt)のコメントによると、幼少期に住んでいたシリアの学校では様々な人種がごった返していて、互いの宗教や考えを純粋にぶつけ合い、誇らしげに語ったりしていたと。白熱した議論を交わすことはあったけど、シリアスな喧嘩に発展することはなく……「きっとどこかで互いに“リスペクト”をし、“家族のような気持ち”で接していたからだと思います。現代において社会や世界と関わっていくにはこの2つが大事な気がしています」と。「あれやこれや綴っていたら、日々働く方々の歌詞にもなりました。どんな職業であったとしても、これから社会や世界を相手に戦っていく方々へ“応援”ではなく、”切磋琢磨していこうぜ”と呼びかけるような歌になりました。ただ曲の捉え方は千差万別なのでどう捉えていただいても構いません」とも。)potifyでは日本のロックシーンの話題曲を集めたプレイリスト『J-Rock On!!』のカバーを飾っています。

ポスト・マローン「I Had Some Help」

ポスト・マローンがカントリー・シンガーのモーガン・ウォレンを迎えた新曲「I Had Some Help」をリリースしました。2023年はモーガン・ウォレンの「Last Night」が米・ビルボードの年間シングルチャート1位を獲得し、ルーク・コムズの「Fast Car」が年間8位を獲得。年間アルバムチャートでもモーガン・ウォレンの『One Thing At A Time』が1位を獲得し、今年はビヨンセがカントリーに接近したアルバム『COWBOY CARTER』をリリースするなどアメリカを中心に再度注目されているカントリー・ミュージック。ポスト・マローンもかねてよりカントリー楽曲を作っていると報道されていましたが、遂にリリースとなりました。ポスト・マローンとモーガン・ウォレンのコラボレーションは初となります。4月26日から28日にわたって開催されたステージコーチ・フェスティバルで初披露されていました。リリース後Spotifyではグローバルチャートのトップ3に入るなど多く聴かれています。

HOME「Plastic Romance」

HOMEの新曲「Plastic Romance」がリリースになりました。HOMEは、sei.(Vo)、o-png(PC) 、shun(Gt)からなる、沖縄を拠点とする3人組。sei.が高校の文化祭で歌った歌唱動画がYouTubeで329万回再生され、話題となったことを聞きつけて、別の高校で音楽をやっていたo-pngとshunが、sei.を誘い、2020年に結成。昨年「Lucy」でデビューし、初のEP『HOME EP』をリリース。DYGLの沖縄公演にゲスト参加し、国内のみならず韓国、シンガポール、台湾などアジア諸国のフェス・イベントへの出演を果たしています。

今作は踊れるシンセポップを志向し、シティポップや80sポップスを彷彿とさせるシンセのメロディー、ギターのリズミカルなカッティングに、クラブ仕様のベース・ドラムの掛け合わせを行い制作されました。Spotifyではプレイリスト『RADAR: Early Noise』のカバーも飾っています。

guca owl「Think About It」

guca owlの新曲「Think About It」がリリースになりました。昨年リリースされたアルバム『ROBIN HOOD STREET』以来およそ1年ぶりの新曲です。ピアノの音で始まるジャジーなビートに乗せ、これまでの足取りを振り返りつつ、自問自答を重ねるようなリリックが綴られているguca owlの第二章の幕開けを感じさせる一作。9月よりワンマンツアー『Working Class King Tour』を開催することも発表されています。5月18日、19日に幕張メッセで開催される『Pop Yours』の2日目に登場します。

B'z「Get Wild」

TM NETWORKデビュー40周年を記念したトリビュートアルバム『TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-』がリリースになりました。今作にはGRe4N BOYZ、CAPSULE、B'z、澤野弘之 feat. SennaRin、ヒャダイン with DJ KOO、乃木坂46、西川貴教、松任谷由実 with SKYE、坂本美雨、くるり、満島ひかりが参加。『New Music Wednesday』にはB'zがカバーした「Get Wild」がリストインしました。Spotifyではプレイリスト『Authentic Covers』のカバーも飾っています。

(超強力なカバー!! 「Get Wild」は、1987年にTM NETWORKがリリースしたシングル。代表曲。ちなみに私は1988年生まれで生まれる前の曲、なので後追いになります。30代中盤でもガンガン知ってますが、後追い世代に……。私でもビビってますがから、リアルタイム世代は大興奮の信じられないコラボですよね。松本孝弘さんはTM NETWORKのサポートメンバーを務めた経験も。名曲がロックに昇華されています)

水曜日のカンパネラ「アルキメデス」

水曜日のカンパネラの新曲「アルキメデス」がリリースになりました。水曜日のカンパネラは6月5日(水)に3rd EP「POP DELIVERY」をリリースすることを発表しており、今作はそこからの第二弾先行配信楽曲です。古代ギリシアの自然科学者の“アルキメデス”から取られた楽曲です。Spotifyでは日本のエレクトロミュージックの最先端に立つアーティストを特集するプレイリスト『エレクトロポリス』のカバーも飾っています。

yui「はだかのピエロ」
(羊毛とおはな トリビュートアルバム『まなざし』)

羊毛とおはなのトリビュートアルバム『まなざし』がリリースになりました。2004年に結成した千葉はな(Vo)と市川和則(Gt)による2人組デュオ羊毛とおはな。2015年にvo千葉はなが永眠後も、アーティスト活動を続けてきたギターリスト市川和則自らが企画し、アルバムには彼らと共に歩んできたアーティストたちによるカバーが収録されています。本作には千葉はなと生前から深い交流のあった大橋トリオ、コトリンゴのほか、アイナ・ジ・エンド、yui(FLOWER FLOWER)、安藤裕子、Salyu、アン・サリー、畠山美由紀、Kitri、DadaD、ワールドスタンダードが参加。ジャケットはデビュー当時から羊毛とおはなの作品を手がけているjunaidaが描き下ろしています。『New Music Wednesday』にはyui(FLOWER FLOWER)の「はだかのピエロ」がリストインしました。

文=竹内琢也、Y.SHOGO

『New Music Wednesday [Music+Talk Edition]』とは……

毎週水曜日に、その週リリースされた注目の新曲を中心に更新される、Spotifyのプレイリスト『New Music Wednesday』をさらに深掘りするSpotify公式ポッドキャスト。この番組をチェックすると話題の新曲をいち早く、そして詳しく知ることができて、今の音楽シーンがまるわかりに。あなたの通勤、通学、スキマ時間に無料で聴くことができるので是非チェックを。また番組では、Spotifyアプリの「Q&A」からメッセージやリクエストも募集中。あなたのオススメ曲や思い出ソングが紹介されるかも!? 番組への感想やリクエストは「#NMWミュージックアンドトーク」をつけてツイートを!

SNSでのメッセージテーマは「#注目のヒップホップアーティスト2024」