◇パ・リーグ オリックス3ー6ロッテ(2024年5月1日 ほっともっと神戸)

 オリックスファンが目を覆いたくなるような“惨劇”が繰り広げられた。3―1で迎えた9回。国内通算250セーブに王手をかけた平野佳が登板し、二塁には同じくベテランの安達が守備固めに入った。ただ、その名手がまさかの1イニング3失策。さすがの守護神も持ちこたえられず、この回5失点で逆転負けを喫した。

 「本当になんて言うんですかね、ミスがあっても抑えてきたピッチャーですし、カバーしてくれたピッチャー。責める必要もないかもしれないですけど、(今日は)それができなかったという形じゃないでしょうか」

 中嶋監督が言葉を絞り出した。悪夢は、先頭の小川の二ゴロを安達がファンブルして始まった。角中、石川慎の連打で1点差となり、なお無死一、二塁でポランコの二ゴロは完全な併殺コース。ただ、安達が前のプレーをひきずっていたのかボールが手に付かず、痛すぎる失策で無死満塁としてしまった。

 平野佳は続く代打・藤岡は何とか三振に仕留めるが、安田に左越え逆転二塁打を許して降板。井口も佐藤に右前適時打を浴び、2死満塁からは安達の3つ目の失策でこの回5点目を失った。

 二塁手の1イニング3失策は、パ・リーグ初。悪天候もあったが、今季から内野守備走塁コーチを兼任するスペシャリストだけに痛恨だ。チームも3連敗で借金2。ダメージの大きい黒星を、引きずるわけにはいかない。