◇セ・リーグ 阪神1ー3広島(2024年5月8日 甲子園)

 阪神は8日の広島戦で4安打1得点に抑えられて2連敗。2カード連続負け越しを喫した。3番ノイジー、4番大山、5番佐藤輝、6番森下が無安打に終わり、岡田彰布監督(66)は「こんなんで勝つのは無理やわ」とお手上げ。甲子園での広島戦は昨季、CSを含めて10連勝で締めくくったが、今季は1勝後に4連敗だ。2位巨人とは0・5ゲーム差で、6チームが2・5差以内という大混戦。貧打解消へ井上広大外野手(22)の昇格を決めた。

 大瀬良と今季初対戦した1カ月前と同じ光景が本拠地で繰り広げられた。3番ノイジー、4番大山、5番佐藤輝、6番森下に安打が一本も出ず。7回無失点に封じられて敗れた4月11日も、同じ3〜6番が無安打。岡田監督はあきれ返った。

 「クリーンアップっていうか、4人やんか。真ん中の4人がノーヒットか。そら、点は入らんわな。ヒットが出るとかよりも、内容が悪過ぎるよな。打ち取られ方のな。こんなんで勝つのは無理やわ。はっきり言うて」

 チャンスはあった。不安定な立ち上がりを攻め、初回から3イニング連続で先頭が出塁して得点圏に走者を進めた。しかし、つながらない。近本と中野の連打で同点に追いついた3回は、なおも無死一塁でノイジーが三ゴロ併殺に倒れた。5回以降はチームで一度もHランプをともせなかった。重い雰囲気のまま、ゲラが8回に2点を失い、連敗を喫した。

 「ずっと言うてるよ。そんなに低めに来ない、って。みんな高めやろ?打ち取られてるの。ミーティングでも複数回言うてるよ」

 岡田監督が指摘したのは、直球への対応だ。大山は初回2死二塁で148キロ直球を遊飛。森下は2回無死一塁で148キロ直球を見逃し三振、4回は高めの直球で捕邪飛に倒れ「(大瀬良は)いいピッチャーなので、次は野手が頑張って勝てるようにしたい」と唇をかんだ。大山は9回、栗林の149キロに空振り三振を喫した。

 「そら、去年と攻め方を変えてくるって。力負けやで。高めの真っすぐを。力負けのストレートの空振りやで。ほんまそうやで」

 カードの対戦成績は2勝4敗1分けになり、5球団で唯一負け越す。昨季、CSを含めて10連勝(アドバンテージ分は除く)で締めくくった好相性の「甲子園での広島戦」に苦しみ、これで4連敗だ。

 試合後、高卒5年目の井上の今季初昇格が決まった。この日、由宇でのウエスタン・リーグ、広島戦で3安打。ファームで打率・344、4本塁打、17打点の成績を残す。チームは10日から舞台を横浜に移し、DeNAと対戦。5位で並ぶ中日とヤクルトまでが2・5ゲーム差以内にひしめく大混戦を抜け出すために、とにかく快音が欲しい。(倉世古 洋平)