大相撲春場所で史上最速優勝を成し遂げた幕内・尊富士(25=伊勢ケ浜部屋)が夏場所(12日初日、東京・両国国技館)を休場する方針であることが分かった。9日の稽古後、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が明かした。

 尊富士は記録ずくめの優勝を決める前日の春場所14日目に右足首を負傷。捻挫と靱帯損傷で春巡業は休場していた。「土俵のケガは土俵で治さないと」と4月末から四股を踏み始め、5月4日には一丁押しとぶつかり稽古も再開。その日の稽古後には「出たい気持ちもある反面、しっかり治さないと不安な部分はある」と複雑な胸中を明かしていた。

 この日、稽古場に姿を現したものの軽く腰割りをする程度。師匠は「四股も満足に踏めていない。稽古できないと相撲は取れない。まだ治っていないから無理ですね」と休場の方針を示した。途中出場の可能性についても否定。「そういうつもりでやっていますよ」と、尊富士本人も入門以来初の休場を受け入れて前を向いているそうだ。

 「どのくらい時間掛かるかは分からないけど日々治しながらやっている」と具体的な復帰時期については明言せず。110年ぶりの新入幕優勝という歴史的偉業を成し遂げた期待の大きな愛弟子に対し「しっかり治さないと」と完治を願った。