◇九州六大学野球春季リーグ優勝決定戦 福岡大9―3北九大(2024年5月25日 福岡県・今津運動公園野球場)

 勝率8割で首位に並んだ両校による優勝決定戦が行われ、福岡大が9―3で北九大を下して昨秋から2季連続、62回目の優勝を決めた。福岡大は3回に敵失がらみで4点を先制。6回は5点を加えた。先発の朝吹拓海投手(2年)は7回3失点の好投。優勝した福岡大は6月10日開幕の全日本大学野球選手権に出場し、第1日の1回戦(東京ドーム)で福岡六大学優勝の九産大と対戦する。

 優勝を懸けた大一番でも2年生右腕・朝吹は頼もしかった。「中3日だけど疲れは抜けて調子はよかった。投げられるところまで頑張ろうと思った」。106球を投げ1失点完投勝ちした21日西南大戦から間を置かずに先発。10安打を許したが走者を出しても粘り強く5三振を奪い3失点(自責2)に抑え込んだ。

 神村学園では背番号1で22年春季九州大会で優勝を果たした勝負度胸は健在だ。圧巻はリーグ3冠王に輝いた北九大・石橋への内角攻め。「昨秋、外角球を本塁打されたので対策を練った」と初回は石橋を2球続けてのけぞらせ最後は体を開かせ二飛に打ち取った。石橋を4打数1安打。右犠飛による1打点だけに抑えたのは強気の内角攻めの成果だ。

 2年生ながら今季6勝1敗で最多勝に輝いた2年生エースは上級生の奮起も生む。3回に主将・内藤叶夢(4年)が先制打、小金丸竜誠(3年)は満塁一掃三塁打で続き、6回は松本壮太(4年)が「朝吹が投げる試合は上級生として気合が入る」と、野球人生初の満塁弾で援護した。

 念願の全日本大学野球出場。「全国の舞台が楽しみ。東京ドームで投げてみたい」。九産大との初戦先発を熱望した。 (中島 泉)

 《リーグ3冠王の石橋は…》4本塁打、21打点、打率.488でリーグ3冠王に輝いた北九大の石橋昂樹(4年)は4回の右犠飛による1打点に抑えられた。「朝吹くんは球威があるしのけぞらされました。いい投手でした」と称えた。決定戦で西南大に敗れた昨春の雪辱を狙ったが「内野のエラーも出て厳しかった」と試合展開を反省。優秀選手賞を手にしたが、「悔しい。秋にもう一度チャレンジしたい」と前を向いた。