パリ五輪の出場権が決まり、『ワールドカップバレー2023』の最終アメリカ戦はこれまでのリザーブメンバーが主役となった。

 第2戦のエジプト戦で黒星を喫した日本代表だが、その後4連戦をストレート勝ち。見事に夢の舞台への切符を掴み取った。8日のアメリカ戦は、これまで控えに回っていた選手を中心にコートへ送り出した日本は、フルセットの末に敗れたものの、選手層の厚さを世界に示した。

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 パリへの熾烈なメンバー争いは既に始まっている。五輪予選は登録選手が14名だったが、本戦は12人に絞られるのだ。チーム2番目となる17点を挙げた大塚達宣は、「今までリザーブのメンバーがスタートだったので、ポジション争いだと僕は思っていた。今日はメンバーに残るためのサバイバルというつもりで、自分のできることを全部出して、どんどんアピールしようと思っていました」と試合後に明かした。

 今季、ネーションズリーグで3位に輝いた日本。そんな主力メンバーを支えていた控え選手らは日々の実戦練習から「自分たちで『世界3位相手にやってんだぞ!』と毎日言いながらやっていた。ディフェンス面とかやっぱり日本はすごい力あると思いますし、そういうチーム相手に毎日出来ている」と代表期間中に大きな自信を得た様子だ。
  ここまで出番が少なかった大塚だが、「『あっちのチーム(主力組)を驚かせてやろうぜ』みたいな雰囲気を出している。そうすることで向こうへの刺激にもなりますし、それがチーム全体の底上げになると思う」と自らの役割を説明し、それが強豪相手にも出来たという。

「出場権も決まっていたので、伸び伸びやれたのもありますが、今日もそういった雰囲気を自分たちで出せた場面があった」

 パリ五輪でのメダルに向けて力をつけている龍神NIPPON。主力組だけでなく、控えとして準備をする選手も確実に成長を遂げている。

取材・文●永野祐吏(THE DIGEST編集部)

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