今年のプレーオフでミネソタ・ティンバーウルブズは1回戦でフェニックス・サンズを無傷の4連勝で下すと、勢いに乗ったチームはカンファレンス準決勝で王者デンバー・ナゲッツも4勝3敗で撃破。ケビン・ガーネット、サム・キャセール、ラトレル・スプリーウェルのビッグ3を擁し、フランチャイズ最多の58勝をあげた2004年以来のカンファレンス決勝に駒を進めた。

 現在のチームは22歳のエース、アンソニー・エドワーズを中心に2番手にカール・アンソニー・タウンズ、経験豊富なプレーメーカーのマイク・コンリー、リーグ屈指の守護神ルディ・ゴベア、マルチディフェンダーのジェイデン・マクダニエルズ、最優秀シックスマン賞に輝いたナズ・リードなど攻守のバランスの取れた布陣となっており、リーグ制覇も決して不可能ではない。

 そんななか、キャリア11年目、ウルブズ在籍2年目のゴベアはカンファレンス決勝を前に優勝への想いを語っていた。

「俺の夢なんだ。いつだってチャンピオンになることを夢見てきた。リーグ入りしてから、それが俺のゴールになっている。で、トレードでここへ来てから、俺は信じているんだ。この組織、このグループのことをね。

 そして俺とこの組織にとって、今はこれまでにグループとして経験したことのない領域なんだ。この瞬間を楽しむよ。俺が欲しているのはチャンピオンシップだけ。そのためなら何だってやってやるさ」
  ウルブズがカンファレンス決勝で対峙するのはダラス・マーベリックス。今季レギュラーシーズンの戦績はウルブズが3勝1敗でリードしているが、相手の主砲ルカ・ドンチッチが出場した2試合は1勝1敗。

 また、両チームが最後に対戦したのは1月。その後、マブズは万能フォワードのPJ・ワシントン、リムプロテクター兼フィニッシャーのダニエル・ギャフォードをロスターに加えて選手層を厚くすることに成功している。

「我々が対戦したのは(オールスター)ブレイク、トレード・デッドライン前のこと。そして相手はそこからさらに精度を高めて、互いをうまく補完できるユニットを形成している。彼らのディフェンスはリムプロテクション向上とともに各段に飛躍している」

 クリス・フィンチ・ヘッドコーチはそう語り、36歳のコンリーもマブズを警戒していた。

「また違ったタイプのゲームになるだろうね。ピック&ロールはもっと増えるし、ボールハンドラーは(ナゲッツのニコラ)ヨキッチからルカとカイリー(アービング)になる。あのチームはアスレティックなウイング陣とともに速くプレーすることだってできる。だから僕らとしては、このシリーズでいくつものチャレンジが待ち構えているんだ」

 ウルブズがシリーズを制することができれば球団史上初、マブズが勝てば初優勝した2011年以来通算3度目の頂上決戦となる。エドワーズとドンチッチのスコアリング合戦、タウンズとアービングの2番手対決など、見どころの多いシリーズになりそうだ。

文●秋山裕之(フリーライター)

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