指揮官交代から流れは変わった

開幕から14試合を戦って1勝4分9敗。今季フランスのリーグ・アンで最悪と呼べるスタートを切った名門リヨンには、このまま2部へ降格してしまうのではとの不安があった。

しかし、現在の順位は驚きの7位だ。一時最下位に沈んでいたことを考えると、TOP10入りは驚きの結果だろう。

流れを変えたのは、シーズン途中より指揮官を任されたピエール・セイジだ。チームを立て直したのはもちろん、あれだけ不振に苦しんでいたリヨンを粘り強い集団へ変えたのが大きい。

先日にはリーグ・アン第32節でリールを打ち合いの末4-3で撃破したが、このゲームは先に2点をリードされる苦しい展開だった。それを後半に追いつき、最終的には後半アディショナルタイムの決勝ゴールで勝ち点3をもぎ取った。今のリヨンはリードされてからも粘れる集団になっているのだ。

それは数字にも表れている。仏『Foot365』によると、セイジが指揮官に就任した12月2日より、リヨンはリードされたところから勝ち点22を奪っている。これは同期間では欧州5大リーグの中で最多の数字なのだ。リードを許すのはスマートな戦い方とは言えないが、リヨンは驚異の粘り強さで勝ち点を稼いでいる。

チームを引っ張るエースは32歳のFWアレクサンドル・ラカゼットだ。リール戦でも3点目を奪っていて、今季リーグ戦得点数は17ゴールまで伸びてきた。このうち14ゴールはセイジ体制になってから決めたもので、ラカゼットのパフォーマンスも監督交代とともに激変している。

降格の不安はすっかり消え、来季の戦いへ期待感が高まっている。昨今のリーグ・アンはパリ・サンジェルマンが支配しているが、やはりフランスを代表するリヨンは優勝争いに絡んでいくべきだろう。