中日・井上一樹二軍監督(52)の「激アツインタビュー」後編ではブライト、龍空、鵜飼ら未来のドラゴンズを背負う若手ナインの現状に言及。聞き手のSKE48・熊崎晴香(26)も井上二軍監督の熱さに思わず引き込まれた。井上二軍監督が「永遠の兄貴」と慕う立浪和義監督(54)への思いとは――。

【中日・井上一樹二軍監督〝激アツ〟インタビュー 後編】

 熊崎 二軍で成長を感じられている選手は誰ですか?

 井上監督(以下、井上) まだ育成選手ではありますが、松木平(優太)。先発として規定投球回はもちろん、最多勝を取らせたいと思っている。(高卒2年目捕手の)山浅龍之介も今年いきなりというわけにはいかないけれども、将来ドラゴンズの正捕手になるぐらいの形に育てなきゃいけないなって思っています。

 熊崎 龍空選手やブライト選手はどうですか?

 井上 (龍空やブライトが)出てきたらスタンドから拍手をすごくもらうでしょ。ファンの人たちもすごく応援してくれている。ブライトはベンチでもすごく大きな声を出してくれるし、助けられている部分はあるんだけど、歓声や拍手をあいつらがどう受け止めているか。ナゴヤ球場で拍手をもらうんじゃなくて3万、4万の大観衆の球場で「出てきたブライト!」「頑張れ、龍空!」となることをまず目標にしなきゃいけない。そこにどういった形でのし上がっていくかっていう過程は見守りますけど、結局やるのは自分なんだよね。キャラは一流だけどバッティングや走塁、守備力はまだ一流じゃないから、そこを見守っています。でもね、選手って急成長することがあるんですよ。「あれあれ? あいつ何? 急にこんなにうまくなったじゃん」「急にコントロール良くなったじゃん」「球速くなったじゃん」「なんか打ち方良くになったじゃん」ということはよくある。だから期待しています。

 熊崎 鵜飼選手はどうですか?

 井上 痛いとこばっかりつくな(笑い)。鵜飼のパワーはもう半端ないよ。あなたぐらいの重さなら片手で持ち上げられる。ただ、今はちょっと(打撃を)修整しているところです。鵜飼の名前をファームのゲームに書けない時もあるのは痛いんですけどね。努力をする選手ですけど、もうちょっと遊び心があってもいいかなと思います。

 熊崎 鵜飼選手のような長距離砲の選手にはファンの方も期待が大きいと思います。

 井上 そうだよね。わかります、わかります。

 熊崎 一、二軍の入れ替えについては、立浪監督とどのような形でコミュニケーションを取られているんですか?

 井上 やっぱり場所と時間も違うので、ほぼほぼ電話もしくはLINE。立浪監督よりも(ヘッドコーチの)片岡さんの方が多いかな。(立浪)監督自らかけてくる時もある。2人の話を聞きながら「今、井上商店のおすすめはこの選手です」と。後で「話が違うじゃないか」ということがないようにしないといけないので、連携をしっかり取ってやらなきゃいけないなと思っています。(一軍が)好調な時はそんなに連絡はないけど、何かあった時のためにいろいろな予測は立ててます。

 熊崎 ドラゴンズにはぜひ今季、優勝してもらいたいと私もファンの皆さんもみんなが願っています。そのためにも井上監督の果たす役割も大きいと思います。

 井上 こちら側としては(一軍から)求められたものを提供できるように準備をしておく。ただ(力量的に)一軍に近い選手ばかりを使う形になってしまうと、二軍(全体)のモチベーションに影響が出る可能性もある。これから成長していく選手、経験を積ませる必要がある選手もちりばめながら使うシステムを取っていかないといけない。そういったところの出し入れについては、意識しますね。

 熊崎 今季はチーム全体の層も厚くなっていて、二軍にもこれからの活躍を期待する選手が多くいるというのがドラゴンズの面白さ、ファンとして燃えていく理由なのかなって思っています。

 井上 去年までは野手が少なかったんだよね。ドラフトや他球団を戦力外になった選手を補強したことで野手も厚めになっている。投手、野手合わせて(二軍には)50人ちょっといるから(試合に出るのも)大変ですよ。そういった中で「本当に素晴らしいわ」というものを見せてくれる選手がいるから、やりがいを持ちながらやらせてもらってますね。

 熊崎 井上監督の明るさはチームにとてもいい影響を与えているんじゃないですか。

 井上 暗い感じで声も出ないようなグラウンドって嫌いなんでね。特に最近はベンチで指示を出したいのに「黙ってくれ」って言いたくなるくらいみんなが元気過ぎて、大きな声を出してくれる。だから「黙れ」って俺もよう言わん。みんな元気がいいのがいいからね。立浪監督は今は上司ですけど、オレの中では永遠の兄貴なんです。オレの中で1番思ってるのは「立浪政権を終わらせるわけにいかない」ということ。一昨年、去年よりもチームが(いい形に)変わったと。チームを3年で作り変えるのは至難の業だと思う。でも、今年はそれなりの結果を求められる年なのでね。そこでどういった形でオレが手助けできるか。ファンの皆さんが納得する形を見せないといけないということはオレも感じている。今、二軍のチームを預かっているけど一軍の試合を見ながらいつもハラハラドキドキしてる。「今の何で打たないんだよ!」って、一ファンになって見ていますよ(笑い)。