ロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス記者が13日(日本時間14日)に「デーブ・ロバーツ監督は彼の仕事をした‥大谷自身から大谷を守った」と題する自身のコラムで腰の張りを訴えたドジャースの大谷翔平投手(29)を12日(同13日)のパドレス戦で欠場させたデーブ・ロバーツ監督の判断を絶賛した。

 大谷をエンゼルス時代からずっと追い続けてきたヘルナンデス記者は、大谷自身も楽しみにしていたパドレスのダルビッシュ有投手(37)との対戦を“強制的”に休ませる判断をしたロバーツ監督の手法は「監督は監督。選手は選手。単純に見るこの役割分担は大谷のような才能のある選手だと複雑になり得るが、ドジャースは昨年のエンゼルスがほとんどできなかったことができた…、それは大谷自身から大谷を守るということ」と指摘した。

 昨年まで所属したエンゼルスは大谷に出場判断を任せていたため、球団は止めることができずにほぼフル出場。先発登板した2023年8月3日のマリナーズ戦を右手の指のしびれで4回で緊急降板した際、MRI検査を強制的に受けさせなかったことが右ヒジ靱帯損傷と2度目のトミー・ジョン手術につながったと考える同記者はこう解説する。

「ロバーツにとって大谷の手から決断を奪ったことは、小さいながらも重要な行動だった。エンゼルスが昨年学んだように、一度関係が成立すると、それを元に戻すのは難しいからだ」。2人の関係性を築く上ではとても大きな一歩だという。

 ドジャースと大谷に共通する目的はワールドシリーズ優勝。エンゼルスと異なり選手層が厚く、出続ける必要はない。プレーオフから逆算すれば適度に休養して健康を保つことが何よりも重要だということも大谷も理解しているだろう。

「ドジャースの監督らがこのスター選手とどのように意思疎通を図るかは、シーズン後半にはさらに大きな影響を与えるだろうし、来年大谷が待望のマウンド復帰をするときにはさらに重要になるだろう。ロバーツ(監督)は大谷の今後の出場スケジュールを大谷の意見を聞きながら決めると言ったが、当然そうするべきだし、大谷にもその権利はある。しかし、ドジャースはエンゼルスほど偏った関係を大谷と築くわけにはいかない。日曜(12日)は、そうならないことを暗示するものだった」

 大谷のドジャース選択は正しかった。