ついに大台到達だ。ヤクルト・村上宗隆内野手が15日の広島戦(松山)で史上最年少で通算200本塁打に到達し、胸に秘めた思いをぶっちゃけた。

 待ちに待った一発は8回に飛び出した。二死で走者はなし。リードはわずか1点で一発を狙える場面だった。村上は「ホームランで1点取るというのはすごくあの場面で理想でしたし、僕自身今日の打席も紙一重の打球が何球かあって何とか仕留めたいなと思っていた」と静かに闘志を燃やしながら2球目の甘く入ったフォークをひと振りで捉えた。

 ルーキー時代から汗と泥にまみれたキャンプ地・松山の夜空に舞い上がった打球は右中間席へ着弾。この一打でチームのリードは2点に広がり、そのまま2―0で逃げ切った。しかもこの日がプロ初登板だった先発・松本健の初完封勝利をアシストする一撃となった。

「何とか援護したかった」との思いもあったというが、やはり「原点」と語る松山で放った一発は格別だ。「そういう場所で節目のホームランが打てたのは僕自身うれしい」と笑顔を浮かべた。

 ただ、清原和博(西武)を上回る「24歳3か月」での偉業達成には「あまりピンときていないです」という。何より、199号を記録してからは7試合連続でアーチがなく、周囲から「まだなのか?」といった〝圧〟も徐々に高まっていた。

 ヒーローインタビューで苦しんだ期間の思いを聞かれると、村上は「どんな気持ちだったか…。う〜ん。『打てる時ばっかじゃねえぞ』と。『僕のこと何だと思ってんだ』と思っていました、はい」とやってファンの笑いを誘った。

 200号には到達したが、村上が目指す先ははるか先にある。「まだまだ通過点なのでもっともっと打てるように頑張ります」。日本が誇る大砲はさらなる進化を遂げていく。