女子プロレス「スターダム」の中野たむが、意味深発言を連発だ。王者ウィロー・ナイチンゲールとの米AEW・TBS王座戦(18日、横浜武道館)前に、所属ユニット「コズミック・エンジェルズ(CA)」が分裂危機に見舞われている。自身が極悪軍団「大江戸隊」を追放されたスターライト・キッドを救出したことに端を発する今回の騒動。当の本人はキッド、そしてCAに何を思うのか――。

 昨年は団体最高峰のワールド王者として活躍した中野だが、10月の同王座戦で左ヒザを負傷。長期欠場に入り、王座返上を余儀なくされた。2月の復帰以来、初となる王座戦に向け「このベルトを取って、中野たむが世界一になる。そうすればスターダムも世界一になる。世界一輝く一番星に返り咲きます!」と誓い、自信をみなぎらせた。

 王者のナイチンゲールは168センチ、88キロ。157センチ、50キロの挑戦者とは体格差があるが、気にする様子はない。「(4月27日)横浜BUNTAIでアジャコングと対戦して、デカイ選手とどう戦うかが私の課題だと思っていた。アジャよりは小さいし、去年、180センチのメーガン(ベーン)を投げたので投げられます」。むしろ王座獲得後の展望に目を輝かせる。

 AEWの次回PPV「Double or Nothing」(26日=日本時間27日)ではナイチンゲールが、元WWEスーパースターでAEW所属のメルセデス・モネと同王座をかけて対戦することが発表されている。つまり中野が王座を獲得すれば、モネと対戦する機会を得るのだ。

 忘れもしない。昨年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会。当時のIWGP女子王者KAIRI(現WWEのカイリ・セイン)に5分47秒で敗れた直後、さっそうと現れたモネに話題を全て奪われた。

 積年の恨みがあるという中野は「私はあの日、モネのかませ犬にさせられた。今回ベルトを取って、あの時の雪辱を直接果たすチャンス。ウィローには『こんな最高の舞台をセッティングしてくれてありがとう』と伝えてベルトを奪います」と不敵な笑みを浮かべた。

 このまま王座戦へ一直線!といきたいところが、そうはいかない。気になるのが取り巻く環境だ。CAとキッドの共闘が実現したが、ユニット内からは〝異論〟が噴出。安納サオリが「本当に入るなら考えもんやなって」と疑問の声を上げると、盟友のなつぽいは「たむちゃんはキッちゃん(キッド)と一緒に(2人の古巣)STARSに戻ろうと思ってるのかなって」と勘繰り、CAの分裂を危惧している。

 これに対し中野は「遠征でキッちゃんとたくさん組む機会があって、今後のいろんな新たなビジョンが生まれそうだなっていう感覚があった。それはキッちゃんも同じことを考えてたりするんじゃないかなって思ってます」とだけ口にし、CAの今後については明言を避けた。

 ただしキッドへの思いは本気のようだ。「キッちゃん、マスク取るとか、海外行きたいとか話してたみたいだけど。私がこのベルトを取って世界一になるから、たむと組めば一緒に世界進出もできるよ」と呼びかけるや、「あっ! キッちゃんの素顔はたむの次にかわいいんだよ」とにやり。まだまだCAの混乱は続きそうだ。