ピューロマジックが逃げ切り
ピューロマジックが逃げ切り

葵ステークス2024

[GⅢ葵ステークス=2024年5月25日(土曜)3歳、京都競馬場・芝内1200メートル]

 25日の京都メイン・GⅢ葵S(3歳、芝内1200メートル)は、8番人気の伏兵ピューロマジック(牝3・安田)が逃げ切って重賞初制覇。勝ち時計は1分07秒1(良)。2着には7番人気ペアポルックス、3着に6番人気ナナオが入って、3連単36万2410円の波乱劇となった。1番人気の支持を集めたエトヴプレは4着。

 ハナを切りたい馬が多くいた中で、17番枠からロケットダッシュを決めたピューロマジック。そこからスムーズに内に入れると、道中は向正面から坂の下りにかけて、10秒台のラップを刻んだ。

 ストレートでは一瞬、ペアポルックスに並びかけられる場面こそあったものの、最後はもうひと脚使って最後は1馬身1/4差をつけてゴールした。

 鞍上の横山和は「結構元気がいいというか、本当はもう少しフワッと手を抜いてほしいくらい。あんまりケンカしないように、気持ちを尊重したことでいい結果を出せました」と激走の要因を挙げつつ、「真面目に走ってくれるのはうれしいですが…。もう少しリズム良く行きたいのが本音ですね。本当にいいスピードを持っていますし、この真面目さも武器なので、うまくそこを殺さないように競馬に向かっていければと思います」と今後の課題も指摘した。

 安田調教師は「当初、今後に向けてスピードを生かすだけではなく、持って離してというメリハリが利くような走りを目指しての1戦目(前走まで父の安田隆行厩舎所属)でしたが、ゲートの様子を見ても『無理だな』という感じでした。今日はやめておこうということで、スピードを生かしました」と必ずしも、思い描いたレースプランではなかったことを明かした。

 続けて「個性をあまりつぶさないように、精神面が乱れ過ぎないようにという方針のほうがいいのかなとは、ジョッキーと話しました。今すぐにこちらの考えを押しつけないほうがいいのかな、ということを実感したレースでした」と振り返ったトレーナー。

 馬の良さを生かしつつ、いかにメリハリが利いた走りを体現できるかが、今後のスプリント路線でさらなる高みを目指すうえでのカギになりそうだ。今後は状態面を見つつ、夏のスプリント重賞を視野に入れる。

著者:東スポ競馬編集部