そのドーパミンを、仕事や運動に「転用」しないのは実にもったいない話。

出勤前に勉強したり、仕事をしたりといった「朝活」に励むのも、理に適っています。

モメンタムという観点からいえば、起床して数時間は「ゴールデンタイム」なのです。

軽い運動でも効果はあります。

禅の修行では汗だくになって走りますが、一般の人がきついことをする必要はありません。散歩程度の運動で十分です。

例えば、テンポ100〜120ぐらいの音楽を聴きながら歩いてみる。

腕のふりと歩幅はいつもより大きく。

オフィス内ではエレベーターを使わず、階段は一段とばしでのぼる。

外に出るのが難しければ、部屋の中で大きく腕をふるだけでも構いません。

これだけで、朝から気分が高揚してきます。

「痛み」もドーパミンを分泌させる

ワーク② 「熱いスープ」「辛いカレー」を食べる

「痛み」は誰によっても嫌なもの。

しかし、程度が軽い痛みのなかには、気持ちを興奮させるものがあります。

アスリートが、本番前に頬や背中を叩くのは、その効果を狙ったものです。

元プロレスラーで参議院議員も務めたアントニオ猪木さんは、ファンの頬を平手打ちして気合を入れる「闘魂注入ビンタ」が代名詞でした。

痛みは皮膚感覚からもたらされるもの。同様に、味覚も、皮膚感覚から生まれます。

そのため、一部の味覚も、モメンタムに作用します。

味覚といえば、甘い、苦い、辛い、酸っぱい、塩辛いの五味です。

日本では「うまい」を加えて六味とする人もいます。

このうち 「辛い」は、神経学的に見ると「痛い」「熱い(冷たい)」と同じ反応であることがわかっています。

そのため、熱い(冷たい)食べもの、辛い食べものには、気持ちを興奮させる作用があります。

モメンタムを高めようと思ったら、「熱々のお茶やスープ、ラーメン」「激辛カレー」などを食べるのも、1つの案です。

「冷たい水」「炭酸系の飲みもの」も効果的です。

こうした現象は、味覚と繋がる器官である「嗅覚」にも見られます。

アンモニアのような刺激臭や匂いが「気付け薬」として使われるのは辛さ同様に気を高める作用があるからです。

著者:川野 泰周,恩田 勲