東大の地理では日常生活のふとした疑問が出題され、世界史では「大雑把な世界史の動き」を問うような問題が多く、本質的で、知的好奇心のくすぐられる、とても楽しい問題ばかりなのです。

これは勝手な想像ですが、東大の先生は「この問題、面白いでしょ?」と考えながら、出題しているのではないかと思います。知の巨人が考える、知的好奇心がくすぐられる良問。そんな問題を扱うこれらの本を通して、ぜひ社会の面白さに触れていただければと思います。

本気で研究に立ち向かう姿が描かれる

理科:生物と無生物のあいだ

理科でおすすめなのは、『生物と無生物のあいだ』です。「面白かった!」「これを読んで、生物学の勉強をしたいと思った!」と語る東大生が多い、とても面白い1冊です。

この本はタイトルのとおり「生物と無生物はどう違うのか」という問いに対して、本気で研究する姿や、その結果が描かれているのですが、その研究過程が読んでいてとても面白いのです。

「最先端の研究をしている人たちは、こういうことを考えながら実験をして、このような喜怒哀楽があるのか」ということがありありと伝わってきて、ページをめくる手が止められなくなります。理科の勉強をしていてもわからないような、研究者の苦悩や苦労、そして喜びがわかる1冊です。ぜひ読んでみてください。

国語:日本語チェック2000辞典

最後は、『日本語チェック2000辞典』です。この本は、誰もが知っている言葉の意味が、辞典のように「あ行」〜「わ行」まで載っています。

問題形式で「この言葉の意味は?」「これは正しい?間違っている?」というチェックがあり、そのチェックの答えと合わせて言葉の勉強をすることができます。語彙力をアップさせるためにはとても参考になる1冊です。

語彙力の勉強は、とても重要なものだと思います。僕はもともと偏差値35で、国語がどうしても好きになれませんでした。文章を読んでも、なかなか頭に入らず、勉強しようという気にはなれませんでした。

ある時そのことを予備校の先生に相談すると、「じゃあとりあえず、この本を読んで、語彙力をつけるといいよ」と言われました。言葉の意味を深く理解すれば、相手の言っていることもよく理解できるようになります。

頭のいい人が、どういうふうに言葉を選んでいるのか。「信用」と「信頼」、「矜恃」と「プライド」など、これらの言葉をどう使い分けているのか。それが理解できるようになると、文章もどんどん読めるようになるよ、と先生に言われて、その言葉どおりに勉強した結果、国語は僕の得意科目になりました。

著者:西岡 壱誠