13歳にしてNY留学を経験したツワモノ、BE:FIRSTのMANATOさん。歌とダンスだけでなく、英語も引き続き勉強中。世界を視野に入れ、進化し続ける彼の原動力に迫ります。

必要な武器(スキル)を磨いて開かれる新しい可能性。

メンバー全員が高い実力を持つダンス&ボーカルグループとして知られるBE:FIRST。あらゆるパートを担いながらも珠玉のメロディを紡ぎ続ける歌&ラップと、流麗でゆるぎない安定感のダンスで魅せるMANATOさんはSKY-HIさんから「BE:FIRSTの背骨」と称されており、まさにスキルフルな存在。13歳の時にNYに留学し、本場のバイブスを宿した歌とダンスを身につけた。

「留学中の一番の壁は言語でした。小学校卒業直後に留学したので、英語を学んだ経験がない0からのスタート。家庭教師の方に実家に来ていただいたり、英語圏に住んでいる友達とオンラインで英語で会話をしてから渡米したんですが、いざ現地に行ってみると緊張して何も喋れませんでした。でも、同じ留学プログラムに参加していた日本人がいたので修学旅行のようなマインドで緊張が解けていきました。現地では洋楽を聴く機会が自然と増えたし、耳がどんどん英語に慣れていきましたね。今は海外のアーティストのインタビューに和訳を付けた動画をアップしてくれてる人も多いので、すごく英語が勉強しやすい環境だと思います。僕は大好きなNBAの選手のインタビューから英語を学ぶことも多いです」

BE:FIRSTはシングル『Mainstream』と『Masterplan』で世界に向かう明確な意志を打ち出した。その動きに伴い、英語力を上げる意識が高まっているという。

「英語のレッスンの頻度を増やしています。日本人の先生だとつい『これって英語でなんて言うんですか?』って日本語で質問をしてしまうので、逃げ道をなくそうと思い、今は海外に住んでいる先生に教えてもらっています。話したいことをスピーディに英語に変換する必要があるので脳の回転が速くなった気がしますし、普段のコミュニケーション能力のアップにも繋がっている気がします。英語も日本語と同じで話してると自分がよく使う単語がわかってきて、別の単語を使おうという脳の動きが生まれて語彙が増える。その変化は今後英語でリリックを書く際にも役立つんじゃないかと思ってます。できるだけ日本語の字幕を付けずに海外のドラマや映画やアニメを見ることもやってます。昔日本語で見ていたアニメを英語で見るとストーリーを覚えているので吸収しやすい。あと、アニメで使われてる英語は日常で使う言葉が多いので身につきやすいです」

一方、アーティストとして歌とダンスのスキルアップにも余念がない。「体づくりとパフォーマンスは密接に結びついている」と話す。

「ジムに行くことが多いです。僕たちは歌いながら踊っていて1秒たりとも動いてない時間がないことも多いので有酸素運動がすごく大事なんです。ジムではインターバルトレーニングといわれる何分か全力で走って何分か休むという運動を決まったセット数やっています。心拍数を上げることに慣れることでステージ上でも高いクオリティのパフォーマンスを持続させることができるんです。疲れるとダンスのキレが悪くなっていきますから。初めてのドーム公演は約3時間ありましたが、デビュー1年目だったら絶対にできなかったと思う。デビュー当初と比べると、RYOKIくんをはじめメンバーみんなわかりやすく体が逞しくなりましたよね。筋肉がついたし体力が増したからこそステージ上で思いっきり暴れられます」

新たなことに挑戦していくこともスキルアップのためには大事だという。

「あの時NYに行ったことで、未知のものに飛び込むことに躊躇がなくなりました。元々遠慮しがちだった性格から“とりあえずやってみよう”と思えるようになった。自分が変わらないとグループも成長できません。新しいことにたくさん挑戦して自分の引き出しを増やし続けていくことが大事だと思っています。僕はBE:FIRSTに加えてSOTAくんとAile The Shotaとのユニット、ShowMinorSavageの活動もやっていますが、やりがいや幸福度のベクトルが違う活動をすることでスキルの幅の広がりを実感しています。BE:FIRSTの楽曲はボースティング(自己拡大表現)が多いので、歌詞の中で高めに設定したハードルを越えるための努力をするし、その曲に見合う自分になろうというマインドセットがなされます。ShowMinorSavageは等身大の自分の“好き”をふんだんに詰め込んでいます。両方があることでそれぞれの良いところをもう一方に持っていくこともできるし、どんどん新しいスキルの発見ができるようになっていくと思ってます」

スキルアップを突き詰めていると飽きが来るタイミングがある。そんな時のMANATOさんなりのアドバイスとは。

「例えば音楽の場合、付随するカルチャーにも注目してみると、ファッションや時代背景など広がりが生まれて新しい刺激を感じられますよ。僕が好きなNBAはヒップホップカルチャーと密接に結びついていて、ラップの曲を発表している選手もいます。NBAの試合で客席1列目にラッパーが座ってることも多いし、ハーフタイムショーにラッパーが出ることも多い。そうやって興味を広げていくとスキルアップがさらに面白くなっていくんです」

そんなMANATOさんが、今とりわけスキルアップさせたいと思っているのは「言語化能力」なのだとか。

「英語、日本語、どちらかに限らず、自分が伝えたいことを言語化する能力を上げたいです。最近は楽曲制作の現場に行くことがとても多いんですが、曲のイメージをやりとりする際にどうすれば明確に伝わるのか悩むことがあって。例えば『この年代のこういう音で』とか、瞬時に的確に言語化ができれば効率も上がるので、どんどん積極的にトライしていきたいですね」

マナト 2001年4月29日生まれ、福岡県出身。BE:FIRST、ShowMinorSavageのメンバーとして活動中。BE:FIRSTの最新シングル『Masterplan』が発売中。

衣装はスタイリスト私物

※『anan』2024年5月22日号より。写真・来家祐介(aosora) スタイリスト・安本侑史 ヘア・大城祐樹 メイク・千葉彩子 取材、文・小松香里

(by anan編集部)