在日フランス商工会議所(東京都中央区)が地方オフィス「群馬デスク」の設置を決め、ジェローム・シュシャン会頭と山本一太知事が9日、合意書に署名した。地方オフィスとしては大阪、名古屋、福岡に次ぐ4番目で、近く群馬県庁32階に開設される。関係者はフランス進出に関心がある県内企業との橋渡しや交流など、ビジネスの後押しに期待している。

 在日フランス商工会議所は1918年に発足。日本で最初の欧州商工会議所で、約650の日仏企業が会員という。

 この日のセレモニーで、シュシャン会頭は「群馬は都内から1時間とアクセスがよく、オフィスや工場に便利。群馬とフランスのパイプを強くしたい」と開設の理由を述べた。群馬デスクを拠点に県内企業がネットワークに参加し、フランス進出や連携が進めやすくなるという。

 両者によると、昨年11月に都内であった日仏ビジネスサミットに参加した山本知事に、シュシャン会頭がオフィスの開設を打診し、検討が始まったという。

 山本知事はこの日の定例会見で、フランスとの縁が深い世界遺産の富岡製糸場や、タイヤメーカーミシュラン日本法人本社の太田市への移転などをあげながら「文化的にも共通点があるフランスとの交流をいっそう深め、双方の経済発展につなげていきたい」と話した。(高木智子)