◇6日 ボクシング4大世界戦(東京ドーム)

 WBAバンタム級タイトルマッチは王者の井上拓真(28)=大橋=が、挑戦者の同級1位・石田匠(32)=井岡=に12回判定(3-0)勝ちして2度目の防衛に成功。初の世界戦兄弟ダブル勝利へ、メーンのリングに立つ4団体統一スーパーバンタム級王者の兄・尚弥へ最高の形でバトンをつないだ。井上拓の戦績は21戦20勝(5KO)1敗。

 2月の初防衛戦から、2カ月半の間隔は自己最短だったがテクニックに狂いはなかった。「気持ちのぶつかり合いが多いので、自分の中で楽しみたい」と宣言していた通り、自身初の世界戦日本人対決で注目されたジャブの差し合いでも躍動。1回にダウンを喫するも、積極的に中に入って手数で上回り、主導権を握った。

 バンタム級の世界戦線は、4日に西田凌佑(六島)がIBFタイトルを奪取。日本人が主要4団体のうち3団体で王者となった。統一戦の期待も高まる中、井上拓がしっかり存在感を発揮した。

 なお、石田が勝てば、日本ボクシングコミッション(JBC)公認で、日本のジムに所属する男子としては100人目の世界王者となっていたが、持ち越しとなった。4日に新王者になった国際ボクシング連盟(IBF)バンタム級の西田凌佑(にしだ・りょうすけ)(六島)が通算99人目だった。日本人初の世界王者は1952年に世界フライ級を制した白井義男。

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 ▼井上拓真(いのうえ・たくま) 1995(平成7)年12月26日生まれ、神奈川県座間市出身の28歳。164センチの右ボクサーファイター。神奈川・綾瀬西高時代は、WBOスーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)とライバル関係だった。2013年12月プロデビュー。18年12月にWBCバンタム級暫定王座を獲得するが、19年11月の初防衛戦でプロ初黒星。21年1月に東洋太平洋バンタム級王座を獲得して再起し、昨年4月にWBA同級のタイトルをつかんだ。