【福留孝介の目】

◇25日 中日1―0ヤクルト(バンテリンドーム)

 中日は新外国人選手ディカーソンの来日1号による1点をメヒア、松山、そして前夜(24日)敗戦投手となった守護神マルティネスのリレーで守りきった。思いも寄らぬ悪夢をすっきりと払拭する勝利となった。

 2回の先頭打者として1ボールからの変化球を右翼席へ運んだディカーソンの一発に、本紙評論家の福留孝介さんは「チェンジアップに体勢を崩されることなく、しっかりと捉えましたね。しっかりと打てば、広いバンテリンドームでもスタンドに届くことも証明してみせましたね」と解説する。

 ディカーソンはヤクルトとの開幕戦(神宮)で来日初安打をサイスニードから放ったものの、腰のコンディション不良のため2日後の3月31日に出場選手登録を抹消された。復帰まで55日を要し、24日のヤクルト戦(バンテリンドームナゴヤ)から戦列に戻ったばかりだった。

 得点力不足に悩む中日だけに、ここから巻き返しの大きな力となる可能性を秘めている。福留さんはディカーソンを「もともとホームランバッターではなく、アベレージヒッター。三振率が低くてミート率の高い選手」と見ている。それでもバンテリンドームで大きな一発を放ったことで、他の球場や狭い球場へ行って、本人が本塁打を求めなくても結果的にスタンドインすれば「無理に狙わなくてもいいから(気持ちは)楽になります」と言う。

 得点力向上へ、鍵を握るディカーソン。今後に向けて、福留さんは「開幕直後から長くファームにいて、きょうは外国人同士で打ったホームラン。これが日本人投手になったとき、どういうタイミングで対応できるのか。これからいろいろな投手と対戦していくことになりますので、まずは日本の投手に慣れていくことが絶対に必要」と語った。