J1浦和のDF渡辺凌磨が8日、さいたま市内で練習後に取材に応じ、今季から本格的に取り組む左サイドバック(SB)を「極められると思う」と決意を込めた。

 左SBのライバルで、U―23アジア杯(カタール)で活躍したDF大畑歩夢がこの日、チーム練習に復帰。ポジション争いの激化が予想される。「競争意識はなくはないですけど、それより自分が成長しようとしか今は思ってない。今よりもっと成長できる自信があるからこそ、そこはあまり気にしてない。左SBを極められると思ってます」と言い切った。

 昨季までFC東京でウイングやトップ下での出場が多かったが、浦和のヘグモ監督から左SBに抜てきされた。開幕から公式戦13試合連続で先発出場を続けている。守備面での課題を口にしてきたが「毎試合できることが増えている自覚がすごいある。楽しみながら成長できてる」と充実感がみなぎる。

 試合ではロングボールやドリブル突破など自身の裏を狙われる場面が多く見られが、本人は逆にプラスにとらえている。「僕のところをウィークとして狙ってくるチームが多いのは、自分の中ですごいポジティブ。たくさんロングボールや下のボール、ドリブルで仕掛けられたりするけど、回数が多ければ多いほど練習にもなる」。毎試合悩み、もがきながら最適なプレーを模索しているが「ここを乗り越えた時の景色を見てみたいし、SBとして1シーズン戦い抜く気持ちでやっていく」と力を込めた。

 左SBのプレーをより高めるため「いろんな選手を見ながら勉強している。自分なりのSBを見つけられれば」。参考にしている選手には、C大阪のDF登里享平の名前を挙げた。

 「登里選手の映像はめっちゃ見ます。本当に、守備が一番参考になる。そんなに(高い)身体能力があるわけじゃないし、身長も高くないけど、体の向きと予測でうまく守れている。そういうところを見るのは非常に大事かなと思う」

 身長168センチと決して大柄ではないが、川崎で4度のJ1制覇(17、18、20、21年)に貢献した登里から学ぶ動きは多い。渡辺は自身が得意とする「攻撃」に加え、ベテランSBのプレーを参考に「守備」を磨き、SBを極めていく。