MotoGP第5戦フランスGPはKTM陣営にとって厳しい結果となり、トップ10フィニッシュはブラッド・ビンダーだけだった。チームメイトのジャック・ミラーは、レースペース不足の原因を見つけようともがいている。

 ミラーは決勝を11番グリッドからスタートすると、ポジションを上げていけず、中団グループで争っていた。そして16周目にミラーは12番手を走行中に転倒。リタイアに終わってしまった。

 彼はこの転倒自体不可解なモノだと感じているが、それだけではなく今回のレースでは上位陣と戦えるだけのペースをそもそも発揮できていなかったことに困惑している。

「1分31秒台を維持するのに苦労していて、31秒台を出すことだって大変だった」

 ミラーは決勝を振り返ってそう語った。


「今朝(ウォームアップセッション)はユーズドタイヤですごく良い感じだったんだ。31秒台でコンスタントに1人で走ることができた。でも、レースになるとそのペースで走るのに本当に苦戦してしまった」

「そしてレースが進んでいくと、バイクの感触はどんどん良くなっていった」

「(転倒したとき)僕は何も変わったことはしていなかった。同じ場所でブレーキングしていたんだ。その前のラップより時速1km速かったけど、そこまでで一番速いというわけでもなかった。でも転んでしまった」

「状況を好転させるために何か違う事はできないか理解しようとしているけど、それが本当に難題なんだ。難しい瞬間なのは間違いない」

 ミラーはフリー走行やウォームアップでの走行など好ペースを見せていたときには、トラフィックに巻き込まれること無く走っていた。しかしレースで集団で走ることになると、同じような速さを発揮することに苦労したと語っている。

 そして、この対照的なパフォーマンスについて、彼は何も説明が付けられないと語っていて、KTMと対策を打つ必要があると話した。

「土曜午後(スプリントレース)で、僕はターン1で本当に苦しんでいたんだけど、それは今日も同じだった」

「それで今朝はターン1で何も問題がなかったし、週末の他のセッションでも同じだった。文字通り金曜日には最も安定して最も快適なバイクだと言っていたんだ。ターン1ですらね。自分自身にフラグを立てていたのかもしれないね」

「他のバイクが周囲を走っているときに、どうしてペースを上げるのに苦労しているのかをしっかりと理解しようとしている。本当に苦戦しているんだ」

「単独走行ではいいラップタイムを発揮することができていたし、1分31秒台でかなり安定していた。文字通り、FP3ではタバコを吹かしながら走れるような感覚だったんだ」

「問題を解決して、なにか別の方法がないかを探している。今年は隠し事をせずに、できる限りのことをしているからきっと好転してくれるだろう。時間の問題だ」