日本近代文学の先駆者として知られる坪内逍遥の出身地、岐阜県美濃加茂市は22日、優れた演劇人に贈る「坪内逍遥大賞」に狂言師の野村萬斎さん(58)を選んだと発表した。古典の技法をシェークスピア劇に生かす演出や幅広い活動を評価した。来年3月30日に授賞式と記念事業を行う。

 美濃加茂市は1994年に同賞を創設し、今回が20回目。同じく狂言師で昨年文化勲章を受章した父万作さん(92)も98年に選ばれており、親子2代の受賞となった。

 萬斎さんは「師父に続き賞を頂戴することを大変うれしく存じます。さらに日本文化をアップデートし、世界に発信していきたいと思います」とコメントを寄せた。