ミスミグループ本社は5月23日、機械部品調達のAIプラットフォーム「meviy(メビー)」において、産業機械における設計CADソフトの分野でトップレベルのシェアを持つiCADと、システム開発やマーケティング領域における協業を開始した。製造業DXの加速や設計スピードの向上を目指す。

ミスミグループ本社は、オートメーションの現場で必要とされる機械部品や、工具・消耗品などをグローバルに販売。製造機能を持つメーカーと、他社ブランド品を販売する商社としての顔をあわせ持ちつユニークな事業モデルとそれを支える事業基盤により、「グローバル確実短納期」を実現している。

提供する「meviy」は、機械部品の3DデータをアップロードするだけでAIが自動で即時見積もり、独自のデジタル製造システムにより最短1日での出荷を実現する機械部品調達のAIプラットフォーム。これまで機械部品調達時に発生していた作業時間の9割以上を削減することで、顧客の部品調達における非効率を解消する。4年連続で国内シェアNo.1を獲得したほか、第9回ものづくり日本大賞において「内閣総理大臣賞」を受賞し、製造業の生産性向上において高い評価を得ている。海外でのサービス提供も拡大しており、部品調達DXを通じた時間価値をグローバルで提供している。



このほど、「meviy(メビー)」において、製造業DXの加速や設計スピードの向上を目指し、iCADとのシステム開発やマーケティング領域における協業を開始した。

iCADの提供する「iCAD SX」は、機械装置設計に特化した独自の形状処理技術により、300万部品にもおよぶ大規模な3Dデータを0.2秒で反映できる処理性能を実現。機械設計情報のみならず、電気・制御・製造・保守サービス部門において、互いの情報を蓄積・活用できる機能を実装しており。設計の上流から製造、保守サービスまでを1つの3Dデータでつなぎ、部門間の情報共有をデジタル環境で円滑に行えるようにすることで、ニューノーマル時代の製造業におけるリードタイム短縮に貢献している。

本協業により「meviy」とiCADは、設計から部品調達のプロセスをシームレスに連携させるシステムを共同で開発する。また、展示会やイベント実施などマーケティング領域においてもさまざまな企画を実施するとしている。

製造業界は少子高齢化による人手不足が進む中、急速な市場ニーズの変化に伴い製品ライフサイクルの短縮化が顕著になっている。こうした状況下では、生産性の向上、特に上流工程である設計スピードの向上が非常に重要な鍵となる。現在、設計においては3D技術の普及が進んでいるものの、調達では紙図面でのやり取りが多く残っており、こうした既存の慣習が生産性向上を阻害する要因となっているとし、この課題に対し、3DCADの設計分野で国内トップレベルのシェアを持つiCADと、3Dデータで部品調達が可能な「meviy」が協業し、ものづくり全体のスピード向上を図っていくとしている。

5月30日から東京・名古屋・大阪で開催する「iCADフォーラム44th」では、特別講演として、ミスミグループ本社 常務執行役員ID企業体社長 吉田光伸氏が登壇。「iCAD×meviyで挑戦する『3D完全設計』の世界」というテーマで講演を行う。