経済産業省は10日、ソフトバンクが実施する人工知能(AI)開発向けのスーパーコンピューターの整備に対し、最大421億円を補助すると発表した。同社は国内複数拠点に約1500億円を投じ、AI計算基盤の能力を現状比約37倍に高める計画を掲げる。経産省は基盤整備を支援し、日本のAI開発を後押しする。

同日の閣議後会見で斎藤健経産相は「モデル開発に必要な計算資源を国内に整備することは、経済安全保障や産業競争力強化の観点から重要だ」と説明した。経産省は既にさくらインターネットやKDDIなどへの支援も決めており、「2027年度末までに累計60エクサフロップス(エクサは100京、フロップスは浮動小数点の演算性能)規模を整備する目標は達成を見込む」(斎藤経産相)。

AI開発強化には高性能なコンピューターの活用が不可欠だが、国内の計算資源は不足している。政府は今後基盤整備を見据え、計算資源の利活用促進にも取り組むとした。