TOWAは10月に韓国・天安市で半導体製造装置の新工場を稼働する。生成人工知能(AI)の普及に伴う超広帯域メモリー「HBM」などの先端半導体向けのモールディング装置の需要拡大に対応する。子会社のTOWA韓国(ソウル市)の売上高、生産能力ともに現状比2倍に拡大する。また新工場は過去に納入した半導体製造装置のリニューアル事業にも活用し、韓国を同事業の中核拠点に育てる。

新工場の投資額は非公表だが、計60億円を予定する2025年3月期の設備投資計画に組み込んだ。既存の韓国工場から車で約6分離れた土地と建物を4月に取得した。新工場の敷地面積は1万6137平方メートル、延べ床面積は6215平方メートル。新工場稼働に伴い、現地の既存工場はモールディング装置に搭載する金型の専用工場にする。

TOWAの24年3月期業績は前期比で減収減益も、「生成AI向けコンプレッション装置の受注が夏ごろから本格化した」(岡田博和社長)。引き続き、生成AI関連の投資が活発に続くとみる。顧客の要望に応じ納入済みの装置を改良するリニューアル事業は現在、台湾や韓国向けが中心。工場新設で体制を強化し、中国や東南アジア市場を開拓する。


【関連記事】 世界の半導体工場で、揺るぎない信頼を集めるクリーン搬送装置