◆ソフトバンク2x―1日本ハム(7日、みずほペイペイドーム)

 延長12回。三走緒方理貢がタッチアップから本塁に頭から飛び込むと、歓喜の輪が広がった。日本ハムのリクエストで少し間が空いたが、セーフの判定は変わらない。代打周東佑京の左犠飛で今季4度目のサヨナラ勝ち。本拠地は沸いた。

 ベンチ入り最後の16番目の野手が勝負を決めた。投手戦が続き、同点の12回。先頭近藤健介が左翼線二塁打でチャンスをつくると、無死満塁と絶好機ができた。小久保監督は代打周東を告げた。「事情があって、出したいところでは出さずに我慢していた。でも、最後のあんないい場面で出せるんだなと思いながらね」

 周東は矢澤宏太の2球目を逆方向へ。「外野フライを打ちにいこうと思っていた。イメージと違いましたけど、いい感じで上がってくれた」。俊足の緒方なら十分な飛距離だった。

 4回に山川穂高の9号ソロ本塁打以降は、ゼロ行進が続いた。バントや走塁のミスもあった。小久保監督は「学びが大きい試合だった。ミスもいっぱいあったしね」。ただそこには勝利だけでなく選手の成長を促す意図もあった。「時期が時期なので、もちろん勝つためにやるけど、この選手を我慢して出そうとかを抜きにしてはいない」と育成と勝利を両立する。

 3連勝で貯金は最多タイの12。2位日本ハムと今季最大の4.5差に広げ、独走ムードも漂い始めた。(小畑大悟)