[27日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事は、ECBが来週から利下げを開始する用意があると、27日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで語った。

ただ賃金上昇が正常化するのは2026年以降となるため、今年は引き続き引き締め政策を取る必要があるとの考えを示した。

「大きなサプライズがない限り、現時点では最高レベルの制約を撤廃するのに十分な材料がある」と指摘した。

「今後も年間を通じて制約的である必要があるというのが今年の議論を組み立てる最善の手法だ」とした上で「ただ、制約性の範囲内でやや下方に動ける」と述べた。

ECBは6月6日に理事会を開催する。

ECBの主要政策金利は現在4%と成長に対し抑制的となっており、少なくとも3%までの利下げは刺激策ではなく、制約の除去との見方でほぼ一致している。

レーン氏は「抑制的な局面の維持から正常化の検討に移る前に、(インフレに関して)さらなる進展を確認する必要がある」との考えを示した。

インフレが引き続き鈍化し、ECBの目標を上回る水準で高止まりしないようにするため、今年は政策金利を制約的な領域に維持する必要があると発言。インフレが高止まりすれば「大きな問題になり、除去するにはおそらくかなりの痛みを伴うことになる」と述べた。

今年の利下げペースについては、安全で釣り合いの取れたペースかどうかを見極めるため、データを検証して決定すると語った。

ECBは6月に利下げを実施する意向を強く示唆しているが、一部のアナリストは予想を上回る賃金データを受けて追加利下げ幅の予想を縮小し始めている。

ただレーン氏は「賃金全般の方向性は依然として減速を示している。これは不可欠だ」と指摘。「減速はすぐに安定状態に戻ることを必ずしも意味しない。今年の調整は明らかにかなり緩やかだ」と語った。